3代目BMW1シリーズは初代/2代目とどう違う?
BMWは「MINI」ブランドでFF車づくりのノウハウを得た
2代目1シリーズ(モデルコード:F20)は2011年6月に本国で発表、日本でも9月に発売が開始されています。
全長4335mm×全幅1765mm×全高1440mm、ホイールベースは2690mmと、先代である初代1シリーズと比べて、全長で95mm長く、全幅は15mm広く、全高は10mm高く、そしてホイールベースで30mm大きくなっています。
駆動方式は先代と同じFR。先代では後席居住性がネックになっていましたが、フルモデルチェンジして大きくなったことにより後席の足もとは広くなり、荷室容量も大きくなりました。
136馬力/220Nmを発生する1.6リッター直列4気筒ターボの「116i」、170馬力/250Nmを発生する1.6リッター直列4気筒ターボの「120i」があり、それぞれにノーマル/スポーツ/スタイル/Mスポーツという装備違いのグレードがありました。
またMパフォーマンス オートモビルズとして「M135i」も用意。こちらは320馬力/450Nmを発生する3リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載、トランスミッションは116i/120i/M135iともに8速ATでした(のちにM135iには6速MTも用意)。
曲線を多用したボディデザインは登場当初から賛否両論がありましたが、2015年にはマイナーチェンジをおこない、シャープなデザインに変更しています。
さらに116iを廃止し「118i」を設定。これは当初136馬力/240Nmを発生する1.6リッター直列4気筒ターボでしたが、のちに同スペックで1.5リッター直列3気筒ターボに変更されました。またディーゼルモデル「118d」が追加されています。
2016年には340馬力/500Nmを発生する直列6気筒ターボエンジンを搭載した「M140i」が登場しています。
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前述のとおり、2019年8月に日本で発表された3代目1シリーズはFFになりましたが、BMWとしては、すでに2014年10月に日本に上陸した「2シリーズ・アクティブツアラー」でFFを初採用しています。
さらに2015年5月に日本発表された「2シリーズ・グランツアラー」、2019年10月に日本発表された「2シリーズ グランクーペ」が同様にFFです。また2015年10月に日本発表された2代目「X1」、2018年4月に日本発表された「X2」もFFベースとなります。
「BMW車イコールFR」という印象が強いため、FFは新参のようなイメージもありますが、じつはBMWグループではすでに2001年からFFの「MINI」を発売しているため、BMWのFF車づくりはすでに20年近い歴史があります。
たしかに、いままで同セグメントのなかで唯一のFRだった1シリーズが、FFになったことに対して寂しく思うBMWファンも少なくないでしょう。新型1シリーズがどんなに走りの良さを標榜したとしても、前後重量配分50:50からくる素直なコーナリングや、濁りのないハンドリングなどはFRでしか味わうことができないものです。
ただし、BMWの調査によると、1シリーズのオーナーの80%は自分のクルマがFFなのかFRなのかを知らない、といいます。
そうすると、ライバルのハッチバックと同等以上の広い室内空間だったり、荷室容量を備えた今回の新型1シリーズの登場は、歓迎の声のほうが大きいのかもしれません。
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