なぜ車のシフト方式は多様化した? レバー式からボタン式まで複雑になる理由とは
AT車なのにマニュアル操作ができるクルマとは?
近年のクルマでは、AT車でありながら、マニュアル操作の感覚を体感できる「MTモード付きAT」のモデルが増えています。
おもに、前述のストレート式でDレンジの際に横に移動することでシフトチェンジできるものや、ハンドルに設置されている「パドルシフト」でシフトチェンジをおこないます。
パドルシフトでは、シフトレバーとは別にハンドル裏にシフトのアップ・ダウンのレバーが配置されており、ハンドルを握ったままシフトチェンジをおこなうことが可能です。
スポーツタイプのクルマに多く採用されており、コーナリングや回転数に合わせながら思い通りにシフトチェンジができ、AT車ながらMT車のような運転感覚が楽しめます。
MTモード付きATにはさまざまなタイプがあり、大きく分けて3種類が存在します。
ひとつめは、長い間主流であるトルクコンバーターを使用した「トルコンAT」ベースのものです。現在では、6速ATなど多段化が進み、トルクコンバーターの性能向上、シフトダウンの機能の進化(回転数を合わせるブリッピング技術など)もあって、本物のMT以上に素早くシフトチェンジができるようになりました。
ふたつめが、プーリー(滑車)と金属ベルトやチェーンを組み合わせた無段階変速の「CVT」ベースのものです。
以前は小型車に搭載されていましたが、近年では金属ベルトの耐久性向上などもあり大パワーエンジンでも搭載が可能になり、最近ではスポーティ感を演出するMTモードを搭載します。
みっつめは、本格的なスポーツカーや欧州車が多く採用しているのが、実際のMT操作とクラッチ操作を自動化した「DCT(デュアルクラッチトランスミッション)」ベースのものです。
ほかのふたつよりもMTモードのダイレクト感が感じられ、よりMTに近い感覚で運転できますが、一方で、車庫入れや信号待ちからの発進、渋滞のような超低速時ではギクシャクするクセがあるなど一長一短な部分もあります。
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