なぜ車はモデルチェンジする? 新型車や大幅改良で成功・失敗する要因とは

クルマのモデルチェンジは、メーカーや車種によって変化の大小はさまざまですが、その変化が命運を分けるケースもあるようです。では、なぜ自動車メーカーは多額の開発費を掛けて造った新型モデルに手を加えて改良やモデルチェンジをおこなうのでしょうか。

マイナーチェンジが裏目に出た例も…

 現行モデルの軌道修正的な役割を果たすマイナーチェンジですが、裏目に出てしまったモデルもあるようです。最近では、日産「セレナ」がそれに近しい例といえます。

2018年はミニバンNo.1の座を獲得した日産「セレナ」 しかし、オラオラ顔にマイチェンした結果、販売台数は低迷気味に
2018年はミニバンNo.1の座を獲得した日産「セレナ」 しかし、オラオラ顔にマイチェンした結果、販売台数は低迷気味に

 セレナの現行モデルは2016年に登場。登録車販売台数ランキングでは2016年に9位、2017年は10位と安定した人気を獲得します。

 さらに、2018年には電動パワートレインの「e-POWER」搭載モデルを追加し、これが好評となり2018年は登録車ランキングで全体4位、ミニバンジャンルでは堂々の1位を獲得。2019年に入っても好調で、上半期(1月から6月)でもミニバンの販売台数でトップとなっていました。

 そして、さらなる商品価値を向上させるため、2019年8月にマイナーチェンジがおこなわれますが、これが運命を分けることとなります。

 外観が一新され、迫力のあるデザインに変わった「ハイウェイスター」は、フロントマスクがミニバン界で流行りの「オラオラ顔」となりました。

 流行りに乗ったカタチではあったものの、このマイナーチェンジ後に販売が低迷します。ミニバン首位の座を明け渡しただけでなく、トップ10圏内をキープすることすらできず、2019年11月には全体15位までランキングが落ち込んでしまいました。

 マイナーチェンジ後のセレナについて、日産の販売店スタッフは以下のように話します。

「オラオラ顔が圧倒的に不評とはそこまで感じませんが、たしかにセレナの販売は前ほどの勢いはなくなりました。しかし、カタログの出方はあまり変わっていないので、セレナが候補から外れているわけではなさそうです」

※ ※ ※

 近年のモデルチェンジは、不人気車種の巻き返し策としてだけでなく、人気車種の好調持続策としての役割も果たしているようです。

 失敗すれば人気を下げてしまうリスクをともないますが、変化を諦めては成功を掴めないのもまた事実でしょう。

【画像】オラオラ顔セレナは失敗だった? マイチェンの成功&失敗例を見る!(31枚)

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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