祝賀パレードのセンチュリーなぜ「品川ナンバー」? 皇室ナンバーから変えられた理由

パレードに使われた「センチュリー」は、「センチュリー・ロイヤル」ではない。

 混同されやすいのが、センチュリーとセンチュリー・ロイヤルはまったく別のクルマです。今回のパレードで使われたセンチュリーのオープン・カーは、新型センチュリー(3代目)をベースに製造された(屋根やピラーを切断した)ものです。

 一方、センチュリー・ロイヤルは2代目センチュリー(1997年から2018年)をベースに、トヨタ自動車が2006年から2008年に一般販売をおこなわない御料車専用として製造した車両となります。

 皇室は現在、寝台車1台を含めた合計4台のセンチュリー・ロイヤルと、2019年9月からは皇9ナンバーを付けた、新型センチュリーも御料車に仲間入りしています。

10月22日の「即位の礼の日」に撮影されたセンチュリーロイヤル(撮影:加藤博人)
10月22日の「即位の礼の日」に撮影されたセンチュリーロイヤル(撮影:加藤博人)

 実際、「祝賀パレードで使われたセンチュリーロイヤル オープン・カー」などのように、センチュリーとセンチュリー・ロイヤルを混同させた報道もありますが、センチュリー・ロイヤルはではありません。

 祝賀パレードに使われた「センチュリーのオープン・カー」は、2018年6月に発売された新型センチュリーをベースに、屋根を切って製作された「オープン専用ボディ」となるため(開閉可能な幌やルーフなどがない)、コンバーチブルやカブリオレといういい方はしません。

 では、今後の使用予定はあるのでしょうか。

 オープン・カーは、もともと、「政府全体で有効に活用する」というコンセプトで製作されました。つまり、御料車としてずっとこの先も皇室車両として使われていくのではないということです。

 現在は名義変更を終え、内閣府が管理しているオープン・カーについて、内閣府は次のように話します。

「現在、迎賓館赤坂離宮で展示をおこなっており、ぜひ多くの国民の皆さまにご覧いただければと考えています。

 迎賓館赤坂離宮では1月5日まで。その後は京都市に移動し、京都迎賓館でも1月9日から3月17日まで展示される予定です。なお、1月1日から3日の三が日は入場無料となっております。

 今後の使用についてですが、国民的な関心の高い行事などで使われる予定有効活用を想定しています。たとえば、2020年の東京五輪・パラリンピック後に、メダリストの方々をたたえる祝賀パレードなどが考えられます。

 過去にも祝賀御列の儀以降に皇室行事で利用された実績もございますので、今後、皇室行事での活用も、有効活用のひとつと考えております。
 
 使われることが絶対にない…とはいい切れませんね。成年の儀やご成婚パレードなどで使われる可能性はあります」

※ ※ ※

 なお、皇室行事として使われる際には、再び内閣府から宮内庁に名義変更をして(車庫証明などもすべて新規に取得)、品川ナンバーを外して「皇」ナンバーを付けての走行もあるかもしれません。

【画像】めったに見れないセンチュリー・オープン・カーの内装! 窓ガラスも幌も存在しなかった!

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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