わずか492台のみ! 70年代を席巻したランチア「ストラトス」は何が凄かった?

遂に登場する奇妙な恰好の「ストラトス・ストラダーレ」

 1974年、遂に市販車としてランチア「ストラトス・ストラダーレ」が発売されます。公道走行が可能なように必要な装備を加えてはあるものの、ラリーカー同様、ボディは、全長3710mm×全幅1750mm×全高1115mm、ホイールベース2180mmという当時のクルマから見ても小さなものでした。

ラリー仕様の「ランチア・ストラトス」
ラリー仕様の「ランチア・ストラトス」

 加えて、通常では考えらないような縦横比のボディを持っており、全長は現在のトヨタ「ヴィッツ」よりも200mm以上短く、ホイールベースは軽スポーツのホンダ「S660」のホイールベースよりも100mm以上短く、それでいて全幅は完全な3ナンバーサイズという、「短く、低く、幅広いクルマ」だったのです。

 この異様ともいえるスタイルは、ラリーという競技を見据えたために成されたディメンションでした。短いホイールベースは鋭い回頭性を得るためであり、広いトレッドを収める広い全幅は、コーナリング性能を高めることが目的でした。そして、切り詰めた前後オーバーハングは、いうまでもなく慣性モーメントを減らすためでした。

 こうして登場したストラトスは、1970年代の世界ラリー選手権(WRC)で大活躍します。1974年から1976年まで3年連続でタイトルを奪取したのです。

※ ※ ※

 ラリーに勝つために開発されたストラトスは、その波瀾万丈の開発ストーリーと、あっけない幕切れから、そしてもちろんそのオンリーワンなスタイルから、いまでも多くのファンを持つクルマです。

 総生産台数は僅か492台ということから、オリジナルのストラトスはオークションなどで数千万円以上の値段で取引をされています。

 しかし、熱心なファンによって多くのレプリカが製作され、独特のアリタリア・カラーをまとっていまも世界中を駆け抜けています。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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