クルマでのドライブは、目的地に向かう移動手段というだけでなく、移動そのものが楽しみのひとつでしょう。家族や友人、恋人などとの会話を楽しんだり、音楽をかけて気分を高めたり、それだけでひとつのイベントともいえます。

　しかし、ドライブには大きな問題が潜んでいます。それは「臭い」です。なかでも「口臭」は、本人の自覚がない場合も多く、難しい問題です。車内で気になる口臭は、どのようにケアすれば良いのでしょうか。

　口臭にもっとも効果的とされているのは「日頃の歯磨き」です。なかでも、タイミングが重要とされています。一般的には食後におこなうべきとされていますが、場所やタイミングによっては難しいこともあります。

　その場合は、「起床後」の歯磨きを忘れないようにしましょう。千葉県内の歯科医師は次のように話します。

「寝ている間、口内では唾液の分泌が減少するため、口内で虫歯菌などの細菌が繁殖しやすい状態となります。さらに、無自覚に口を開けて寝てしまっている場合であれば、新たな菌が入り込んでいる可能性もあります。

　起床後は歯を磨くことを忘れないようにしてください。また、『舌』にも菌が付着しており、口臭の原因となります。一般的な歯ブラシでは目が荒く不向きですので、舌専用のブラシでケアすると効果的です」

　起床後の歯磨き・舌磨きは、口臭を予防するだけでなくウイルスを体内に入れることを防ぐ効果もあります。起床後は歯磨きを最優先でおこないましょう。

　しかし、歯磨きをしていても口臭がしてしまうこともあります。その場合にできる応急処置としては「換気」と「消臭」が有効とされています。

「換気」は、クルマのどの窓をどれほど開けるかによって効果が異なります。4ドアのクルマの場合、効果的とされている方法は「対角線上の窓を開ける」ことです。

　ポイントとしては前の座席の窓は10cm、後ろの座席の窓は5cmを開けるのが理想的な換気方法といわれています。前方から空気を多く取り入れることで、狭い後方の窓から空気が抜けていきます。たとえば、運転席の窓を開けたのであれば助手席側の後ろの窓を、助手席の窓を開けた場合は運転席側の後ろを開けると良いでしょう。

　避けたい方法としては、「すべての窓を開ける」ことが挙げられます。より多くの空気を取り入れることができるように思われがちですが、すべての窓を開けることによって空気の出入り口が定まらず、車内をグルグルと循環し続ける可能性があります。

　また、ロードノイズや風切り音、助手席の女性の髪型が乱れてしまう、などといった二次的なデメリットを引き起こすことも考えられるので、すべての窓を開ける必要はありません。

　なお、雨の日や真夏など、窓を開けられない状況では、空調を「外気循環」とすることも効果があります。外の空気を車内に、車内の空気を外に、という基本を押さえて換気をするようにしましょう。

「消臭」では、クルマ専用の「消臭剤・芳香剤」が効果的とされています。なかでも、エアコンの送風口に取り付けるタイプは簡単で手軽な方法のひとつです。弱風であっても顔付近に香りが漂ってくるので、口臭を悟られにくくなります。

　室内をシンプルにしたい場合であれば、シートの下に設置するタイプがおすすめです。場所を取らずに置くだけで消臭が可能ですので、車内の雰囲気を損ねません。

　しかし、車内全体にいき渡りにくいのが弱点とされています。その場合、スプレータイプの使用もオススメです。乗車前にシートや天井、床に吹きかけるだけで数日間は効果が続くものもあります。