新顔「デリカD:5」は成功だった? 衝撃のデザイン変更から約1年経った結果とは
デリカは何が変わった? 今後はどうなる?
2018年のビッグマイナーチェンジでは、従来モデルからどのような部分が改良されたのでしょうか。
一番の注目点といえる外観デザインを担当した大石氏は、「独自のオールラウンドミニバンの特徴を継承し、上質感を高めることを目指しました。フロントデザインは、旧型の『唯一無二のSUVミニバン』という部分は継承しつつ、SUVの力強さを高めるため、三菱のデザインコンセプト『ダイナミックシールド』をもとに、特徴的な縦型LEDヘッドランプを採用するなど、ライトまわりの部分はかなり力を入れました」と説明しました。
また、従来モデルと比べて上質さやラグジュアリー性に大きく力を入れた意図について、商品企画担当の渡邉氏は次のように話します。
「現行ユーザーからの評価や要望として、『悪路走破性』『安定性』『運転のしやすさ』は好評を頂いていました。しかし『質感』の向上を求める声も多くありました。
また、デリカD:5は独自のポジションを築いていましたが、アウトドア色が強くユーザーを限定してしまっているという一面もあったため、商品力強化の一環として『外観リフレッシュ』と『個性の進化』、『内外装の質感向上』を目標として大幅改良しています」
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ビッグマイナーチェンジ後のモデルには、アウトドアイメージのみならず上質感を加えたアーバンギアを新設定し、よりフォーマルで都会的な方向へ進化させ、「人生を楽しむことに積極的なアウトドア志向のオールラウンドミニバンを好む層」をターゲットとした新たなマーケットを開拓していくとしています。
また、三菱は「アウトランダーPHEV」という優れたプラグインハイブリッド車をラインナップしています。近年の災害時にも電力供給などで大きく活躍するなど、アウトドア好きが多いデリカD:5にもPHEV車の設定を要望する声は多いといいます。
しかし、今回の大幅改良ではPHEVに関する話は出ていません。デリカD:5の電動化について、前出の尾崎氏は「PHEVの要望があるのは理解しています。しかし、基本設計やバッテリースペースの関係で現行型では難しい部分があります。また、いまのアウトランダーに搭載しているようなシステムをデリカD:5に組み込むと価格面や重量面で合わないこともあり、今回は踏み込めませんでした。それでも、世の中の流れが電動化に向いているので、継続検討はしていきたいです」
ルノー・日産とアライアンスを組んだことから、次期型は日産「エルグランド」と共通化されるのではないかとの噂も出ています。
この件についてズバリ踏み込んで聞いてみると、「新型モデルについては、『やりたいな、やらないといけないな』という感じです。アライアンスに関しては、具体的な話は出ていません。仮に「エルグランド」と共通化するとすれば、コンセプトが違うので『デリカ』の味や良さが作り出せないと思います」(尾崎氏)と説明してくれました。
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ビッグマイナーチェンジを遂げた新型デリカD:5。従来の唯一無二なコンセプトやポジションを維持しつつ、新たなユーザーを確保していくという点に関しては、ひとまず成功といえるのかも知れません。
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