トヨタ「ランクル70」なぜ人気? SUVモデル増加でもランクルが色褪せない理由
トヨタが世界に誇る本格4WD車が「ランドクルーザーシリーズ」です。約70年近い歴史でも世界中で人気な理由とはなんなのでしょうか。
なぜランクル70は世界中を魅了するのか
海外を旅すると感じるのは、大抵の国でトヨタ「ランドクルーザー」が走っているということです。先だって、トヨタはランドクルーザーが生産開始から累計1000万台を突破したことを発表しました。
1000万台という数値にピンと来ない人も多いと思いますが、なかなか達成できることではありません。あの「MINI」も、クラシックMini時代からの累計でようやく1000万台を達成したくらいです。
そんな世界に誇れるランドクルーザーのなかにおいても、とくに70系といわれるモデルは名車の誉れ高いクルマです。未だ多くのファンを惹きつける70系とは、どんなモデルなのでしょうか。
まず、ランドクルーザーをよく知らないという人に、「●●系」とは何かを紹介します。ランドクルーザーは、1951年の初代モデルの登場から2019年で68年が経つモデルで、長い歴史のなかでさまざまな形に変遷していきました。
このモデルごとに分類するのが「系」であり、初代は「20系」と呼ばれます。そこから「40系」「50型(ボディバリエーションがないため、50だけ“型”)」「60系」「70系」「80系」「100系」「200系」と進化してきます。さらには、70系から分かれたランドクルーザープラドにも「70系」「90系」「120系」「150系」が存在しているのです。
ランドクルーザーのなかでも名車中の名車で、トヨタ北米輸出成功の立役者となったのが、1960年生産開始の40系(ヨンマルと呼ぶのがランクリスト)です。
40系はショートボディ、ロングボディ、ピックアップトラックのボディバリエーションがあり、さらにショートにはバンとソフトトップが存在していました。
4WDへの切り替えをレバー式ではなくスイッチ(電磁)式を採用するといった先見性もあり、北米に限らず世界中で愛されました。
ブラジルで「バンデランテ」の名前でノックダウン生産されていた40系は、なんと2001年まで造られていたほどです。ちなみに、北米の40系好きに向けて、ハイラックスサーフ/プラド/タコマと共用のプラットフォームで造られたレトロフューチャーモデルが「FJクルーザー」です。
この40系の跡を継いだのが、1984年に登場した70系(ナナマル)。40系のイメージを残しながら、シャープなデザインに変貌した70系はたちまち世界中の支持を得て、ヘビーデューティ4WDの王者となりました。
70系には、ショート、ミドル、セミロング、ロング、ピックアップトラック(シングルキャブ/ダブルキャブ)というボディバリエーションがあり(一部は海外専売)、ショートにはソフトトップが、ミドルとロングにはFRPトップが設定されています。
ほかの国産メーカーや海外メーカーのオフロード4WDが、悪路走破性を求めていく流れのなかでも、70系だけはひたすら質実剛健の道を進みました。
発売当初は前後サスペンションとも、強固でメインテナンスが容易なリーフリジッド式を採用。1999年にフロントがコイルスプリングに変更されるまで、それが続きます。
世の中のニーズが「ソフト指向」になると、四輪コイルリジッドサスペンションのLJ71G型というモデルを短期間だけ販売し、その後は「プラド」というマスコットネームを付けて、70系とは分離させてしまいます。
その後、70系はエンジンの換装や仕様変更を繰り返していきますが、国内ではNox法によるディーゼル車への締め付けがきつくなり、2004年を最後に国内での販売が中止されてしまうのです。しかし、その後もディーゼル規制のない海外では変わらぬ支持を得続けて、現在でも多くの国で活躍しています。
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