市場を開拓した先駆者だったのに! 後発車に負けたクルマ5選
N-BOXの登場で軽自動車の勢力図が一変!?
●ダイハツ「タント」
2003年11月、スーパーハイト系軽ワゴンダイハツ「タント」が登場します。
外観はこれまでにないユニークなデザインで、発売当時、軽自動車でもっとも長い2440mmのホイールベースにより室内長2000mmを誇り、これは当時の軽自動車最大でした。
また、高い室内高により子供を立たせたまま乗車させ、自分で着座させることができ、保育園などの送迎に使うママたちを、子どもを抱きかかえてクルマに乗せる作業から解放したことで人気を博し、初代タントは1年間に約40万台を販売するヒット作となります。
タントの人気を決定づけたのは、2007年12月に登場した2代目です。子育てママにフォーカスしたプロモーションで、従来型と同様に90度近く開く各ドアに加え、助手席側に軽自動車初となるセンターピラーレスとスライドドアを組み合わせた「ミラクルオープンドア」を採用。
一部グレードを除いて電動スライドドアが装備され、ホイールベースはさらに延長され2490mmとなり、広大なキャビンを得ることに成功します。
このミラクルオープンドアの乗降性のよさが好評で、2代目は年間80万台以上を販売する大ヒットモデルに成長しました。そして2013年、ミラクルオープンドアを継承した3代目にスイッチします。
スーパーハイト系ワゴンというカテゴリーを切り拓き、確立したタントでしたが、やはり競合他社が黙って見ているはずもなく、ホンダは「N-BOX」を発売します。
N-BOXは発売以来快進撃を続け、2018年には登録車を含む国内乗用車販売台数でトップを記録。日本一売れたクルマになりました。
●マツダ「デミオ」
1996年8月にマツダから登場した初代「デミオ」は、全長3800mm×全幅1670mm×全高1535mm(ルーフレール含む)、ホイールベース2390mmのコンパクトな5ドアハッチバックワゴンでした。
メーカーの予想を遙かに超えるヒットとなり、3年後の1999年のマイナーチェンジ時には、累計販売37万台を達成していました。
前席のヒップポイントはやや高めの設定で、後席はさらに40mm高めて乗員の視界を拡げ開放感を与えています。加えて後席は160mmの前後スライドと、分割式可倒式リクライニング機構を備え、ダブルフォールディングにより荷室を拡大できるという高い利便性を備えていました。
83馬力の1.3リッターと、100馬力の1.5リッターの2種類の直列4気筒エンジンを搭載し、トランスミッションは5速MTと3速AT(1.3リッター)、4速AT(1.5リッター)を用意するなど、さまざまな利用状況に応えます。
コンパクトなボディにもかかわらず、やや高めの全高から得られた余裕のある室内空間や、アレンジ自在のインテリア設計が受け、ヒットを記録。
しかし、2001年にホンダが「フィット」を発売すると空前の大ヒットを記録。デミオ以上に広い室内や優れた燃費性能で、コンパクトカーのベストセラーに君臨しました。
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後から発売したクルマが、先に出たクルマよりも優れているというのは、珍しい話ではありません。むしろ後出しならば、優れていなければならないでしょう。
しかし、トヨタ「プリウス」は別格で、いまだにプリウスを上まわる燃費性能を誇るモデルはありません。
これだけ技術が発達しているいま、プリウスを超えられないのは、それだけトヨタの本気度が高いクルマということでしょう。
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