新車のマフラーなぜ見えない? 目立つ存在からひきこもりになったワケとは

個性?安全性? 昔と違うマフラー事情とは

 マフラーの存在感が薄いクルマが増えているなか、ラインナップの多くで存在感あるデザインを採用しているのがマツダです。

保安基準でマフラーは、その上方のフロア・ラインを含む鉛直面から10mmを超えて突出してはならないとされている(画像:日本自動車スポーツマフラー協会)
保安基準でマフラーは、その上方のフロア・ラインを含む鉛直面から10mmを超えて突出してはならないとされている(画像:日本自動車スポーツマフラー協会)

 マツダでは、コンパクトカーの「マツダ2」をはじめ、多くのモデルに存在感のあるマフラーが設定されています。

 過去にラインナップしていた「アクセラ」では、ハッチバックはマフラーが出ていますが、セダンは下向きマフラーでした。

 しかし、後継モデルの「マツダ3」ではファストバック(ハッチバック)とセダンともに、円筒形のマフラーが存在感を出しています。

 マフラーのデザインについて、マツダは次のように話します。

「以前のアクセラは、ハッチバックとセダンは別物で、リアエンドのデザインも違います。ハッチバックはスポーティさを表現するためにマフラーを強調していますが、セダンのリアデザインはエレガントさや上質さを求めた結果でした。

 マツダ3でも、魂動デザインの考え方である躍動感や生命感の表現を重視し、マフラーを含むリアエンドのデザインは、クルマとして表現したいことに応じて決まっています」

※ ※ ※

 マフラーはそのクルマのリアデザインを決定づけるのに重要な意味を持ちます。自動車マフラーの業界団体である日本自動車スポーツマフラー協会によると、「見えないマフラーを見えるようにしたい、というニーズは一定数あります」と話します。

 とくに、トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」など、下向きの純正マフラーでも割と外から見える(大きな)ものがついている車種では、車体の左右に2本ずつマフラーを出して見栄えのするようなカスタムをおこなう人もいるといいます。

 しかし、後付けのマフラーは、昔と比べて長さが若干短くなっています。これは、道路運送車両法の保安基準に、「外部突起」に関する基準が導入されたためです。

 リアバンパー下部の「フロア・ライン」から10mm以上突出しないことを推奨しているといいます。

「リアバンパーを真上から見たとき、バンパーは曲線を描いているため、外側に出っ張っている部分と引っ込んでいる部分があります。

 以前、マフラーはその出っ張っている部分まで伸ばすことができたのですが、現在はおおむね、マフラー位置から車外への突出を10mmまでにすることが推奨されています」(日本自動車スポーツマフラー協会)

 このように、昔に比べて後方に迫り出すようなマフラーは、車検に通らなくなっていることや、安全面などの配慮によって、存在感のあるマフラーが少なくなっているといえます。

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