新車のマフラーなぜ見えない? 目立つ存在からひきこもりになったワケとは
クルマのマフラーは、ひと昔前まで存在感があるものが多くありました。しかし、最近のクルマではマフラーが見えづらくなっているケースが増えているようです。なぜ、最近のマフラーはひきこもりになってしまったのでしょうか。
存在感あるマフラーはもう古い?
ひと昔前のクルマは、後方から見たときにマフラーが存在感を表していました。しかし、最近の新型モデルでは、スポーティさをウリにしているモデルなどを除けば、一見マフラーが無いようなクルマが多くなっています。
なぜ、マフラーはひきこもり気味になってしまったのでしょうか。
マフラーが目立っていた時代の後方デザインでは、マフラーの後端部分が強調されるように、バンパーに切り欠き部を設けて干渉しないようになっているものや、バンパーのギリギリまで張り出していました。
しかし、最近のモデルではマフラーの後端が下向きになっているものや、車両下部の奥側に設置されるなど、覗き込まなければ見えないような状態です。
このようなひきこもりマフラーを採用しているクルマは、軽自動車からミニバンまで、広く見られます。
マフラーの見え方に変化が生まれている理由について、大手自動車メーカーの広報は次のように話します。
「クルマのコンセプトによって、フロント、サイド、リアのデザインは決まります。そのなかで、マフラーに関しては後方からのイメージを決めるにあたって重要な要素を占めています。
そのため、マフラーが強調されているとスポーティやダイナミックな印象を受け、逆に目立たなくなっている場合はエコやシンプルさなどスッキリした印象となります。
とくに最近は、ハイブリッド車が多くなっているので、マフラーが目立たない方がコンセプトに合っているといえます」
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トヨタ「クラウン」の場合、先代の14代目モデルではグレードや仕様に限らずマフラーは控えめなデザインでした。
しかし、現行の15代目モデルでは、若返りやスポーティさをテーマにした結果、スポーティモデル「RSシリーズ」のマフラーは左右2本ずつの4本出しとなり、バンパーの切り欠き部もスポーティさを強調しています。また、標準モデルの(ガソリン/ハイブリッド)では、左右1本ずつの2本出しの存在感あるデザインです。
元祖ハイブリッド車といえるトヨタ「プリウス」は、先代モデルに比べて現行モデルでは奇抜なデザインが話題となりましたが、マフラーは下向きと奥まった場所に設置されているため存在感はありません。