大物政治家が関係? 全国でも珍しい「逆転式一方通行」の誕生理由とは
今回、紹介するのは全国でも珍しい「逆転式一方通行」です。はたして、どのようなルールなのでしょうか。
神楽坂の「逆転式一方通行」は、田中角栄元首相が関係していた?
従来の一方通行は、指定された道路の通行が、一方向にしか許可されていない道路を指し、基本的には曜日や時間帯によって変わることはありません。
しかし、東京の神楽坂には、時間帯によって一方通行の方向が変わる「逆転式一方通行」というものが存在しています。時間帯によって変わる一方通行とは、どのようなものなのでしょうか。
一方通行の方向が時間によって逆転する「逆転式一方通行」は、東京都にふたつ、岡山県にひとつという全国で3か所存在するといわれています。
そのなかでもっとも有名なのが、通称「神楽坂」と呼ばれる東京メトロ東西線の神楽坂駅から飯田橋駅までの早稲田通り。ここは、0時から12時まで神楽坂駅から飯田橋駅方面の坂を下る方向に一方通行です。
しかし、12時から24時では逆転し、飯田橋駅から神楽坂駅方面の坂を上る方向に一方通行となります。平日は12時から13時が歩行者専用道路となり、土日はさらにその時間帯が拡大します。
説明だけ聞いてもややこしく、状況をイメージするのは困難です。なぜこのような複雑な通行制限がされるようになったのでしょうか。
神楽坂に昔から店舗を構えるスタッフは、次のように話します。
「この区間では、午前中は飯田橋方面(坂下方向)に向かう車両が多くなりますが、午後は反対方向の神楽坂方向への交通量が増えることから実施されたといいます。また、以前には『田中角栄元首相が国会議事堂に向かいやすくするために、神楽坂の一方通行を変えた』という噂もありましたが、定かではありません」
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では、時間帯によって一方通行が変わる場面では、どのような様子なのでしょうか。実際に、現場で一方通行が逆転する瞬間を観察してみました。
神楽坂下の交差点へ到着した時刻は午前10時過ぎ。神楽坂を歩くのは通勤中の勤め人や通学中の学生が多く、通行するクルマも出入り業者のトラックやバンが多い印象です。
広いとはいえない道で多くの業者車両が路上駐車していますが、横を通り抜けるクルマは通り慣れているのか、交通の流れは比較的スムーズでした。
昼時に近づくにつれ、交差点付近には昼休みのサラリーマンやOL、学生などの姿が増えます。それまでは比較的余裕のあった神楽坂の歩道も、通行人が増えて少し窮屈になっていきます。
時刻が12時になると、可変標識が「歩行者専用」に切り替わり、腕時計を眺めて待機していた警察官がカラーコーンを設置し、神楽坂の入り口には車止め看板も設置され、この瞬間から車両は進入できなくなります。なお、看板設置後も基本的には車両が通れる幅が残されているため、なかに残ってしまったクルマでも外へ抜けることが可能なようです。
そして、12時から13時は歩行者専用道路となります。車止めが置かれた後は、人々がなだれ込むように神楽坂へ向かっていました。歩行者天国となるのも納得です。ランチタイムは一気に人が増え、いくつかの飲食店では行列ができるほど通り全体が賑わっていました。なお、歩行者専用道路となった後もちらほらと車両が通行していましたが、歩行者は慣れた様子で避けており、とくに危険な印象は受けませんでした。
昼時の道路状況について、神楽坂の飲食店スタッフは以下のように話します。
「12時にいきなり歩行者天国になり、閉じ込められたクルマが外へ出るため、たしかにクルマの通りはあります。しかし、ドライバーは走り慣れた人が多いのか無理な運転もしないので、ある程度注意していれば問題は無いと思います」
日常的に通行している人あれば、厄介な交通ルールでも上手く対応しているようです。
これって宮城県庁裏から北に続く一方通行と同じだと思いますが、切り替わる時間に行った事がない。
通勤時間帯からずれた9時だから、自然に切り替わっているのかな?