大雨時の運転はハイドロプレーニング現象に注意! 誰でもできる簡単な対処法とは?

雨の日の運転でとくに気を付けなければいけない「ハイドロプレーニング現象」とは、どんなものなのでしょうか。タイヤのプロに、予防法や対処法を聞いてみました。

水の上をタイヤが滑る「ハイドロプレーニング現象」

 日本の降水量は、世界平均のおよそ2倍にのぼるといわれています。昨今では台風やゲリラ豪雨が頻発し、運転中に突然の大雨に見舞われることも多々あります。

タイヤの排水機能が追いつかなくなって「ハイドロプレーニング現象」が起きる
タイヤの排水機能が追いつかなくなって「ハイドロプレーニング現象」が起きる

 降雨時には普段以上に慎重に運転し、さまざまなことに注意しなければなりません。

 なかでも気を付けなければならないのが、「ハイドロプレーニング現象」です。自動車教習所での学科教習や免許更新の講習などで一度は目や耳にしたことのあるかと思いますが、いったいどういう現象なのでしょうか。

 ハイドロプレーニング現象とは、濡れた路面を走行中に、タイヤと路面との間に水の膜ができ、浮いた状態になってしまうことです。水の上をタイヤが滑り、ハンドルやブレーキが利かなくなってしまうという恐ろしい現象なのです。

 濡れた道路を走るクルマは、タイヤの溝を通して路面に溜まっている水を排水しながら前に進むのですが、さまざまな条件により排水が追い付かなくなってしまうことがあります。

 排水しきれなかった水がタイヤの接地面と路面のあいだに溜まり、クルマがコントロールできなくなることがハイドロプレーニング現象の原因となります。

 ハイドロプレーニング現象を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。大手タイヤメーカーのブリヂストンは、次のように説明します。

「ハイドロプレーニング現象は、タイヤの溝の深さや車両の速度、道路にたまった水の深さが関係して発生します。そのため、タイヤは溝の深さがしっかり残っていて空気圧が適正であること、運転するときには速度を抑えること、路面状況では水たまりを避けて走行することが大切です」

 では、ハイドロプレーニング現象が起きてしまったときは、どのように対処したらよいのでしょうか。

「ハイドロプレーニング現象が起きると、グリップ力が戻るまで対応ができません。ハンドルを操作すると、グリップ力が戻った際にハンドルをとられ、最悪の場合スピンする可能性があります。グリップが戻るまでハンドル操作はせず、グリップ力が戻り次第、減速するようにしてください」(ブリヂストン)

※ ※ ※

 排水性の良い溝の形状や配置など、タイヤは日々進化を続けています。しかし、確実にハイドロプレーニング現象を回避するためには、やはりドライバーが注意をしなければなりません。

 もっとも簡単なことは雨が降ったらスピードを落とすことです。ゲリラ豪雨や台風で雨量の多いときは、とくに安全な運転を心掛けましょう。

画像でチェック!大雨時の運転で気を付けたいこととは?

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