突然襲った「ゲリラ豪雨」 運転中に遭遇したら、まずすべきことは?

国交省の『道路冠水注意箇所マップ』で事前に要注意場所をチェック

 一般道路で遭遇するゲリラ豪雨では、高速道路とはまた異なるリスクがあります。その代表的なものが、道路の冠水です。JAFは大雨の際の注意点として、次のように呼びかけています。

「乗用車はボディ底面が浸からない程度の水深であれば、走行可能です。

 しかし冠水した道路は、見た目では深さが判断できません。もし予想以上に水が深いところに進入すると、クルマが浮いて走行不能になる可能性があります。鉄道のガード下や立体交差のアンダーパスなど、周囲よりも低くなっている場所が冠水していたら、無理をせずに迂回しましょう。

 また国土交通省などは、集中豪雨時に冠水する可能性の高い場所を『道路冠水注意箇所マップ』としてインターネットで公開しています。そうしたマップを確認し、お住まいの地域の要注意ポイントを事前に把握しておくことも大切でしょう」

一般道で冠水してしまった場合、エンジンを停止してから安全な場所まで歩いて避難しよう
一般道で冠水してしまった場合、エンジンを停止してから安全な場所まで歩いて避難しよう

 またクルマが冠水してしまった場合の対応については、次のように話します。

「万が一、クルマが冠水した場合はすぐにクルマを止め、エンジンを停止させてから避難してください。このとき、冠水した道路には蓋が外れたマンホールなどの危険が潜んでいます。

 ゆっくりと足をついて足もとを確かめながら、安全な場所まで行き、ロードサービスや販売店に連絡してください。水が引いたからといって不用意にエンジンをかけると、クルマの故障や感電につながる危険もあります」

 JAFによると、何よりも最善の対策は「出かけないこと」だそうです。

「雨の日は情報収集につとめ、ゲリラ豪雨になりそうだという場合には不要不急の外出をさけることが重要です」(JAF)

 また豪雨により、クルマに備えられた先進安全装置がきちんと動作しない可能性も明らかになっています。

 JAFが2018年5月、日本自動車研究所特異環境試験場でおこなった豪雨時(気象庁の用語で「猛烈な雨」とされる1時間あたり80mmの降水時)に自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)が適切に作動するかどうかを確かめる実験では、30km/hでは障害物手前で停止することができました。しかし40km/hでは障害物を一時的に感知したものの、自動ブレーキが作動せず、衝突するという結果になったのです。

 視界もはっきりしない豪雨で、自動ブレーキも作動しないというのであれば、たしかに「出かけないが最善」になりそうです。

 なお、ゲリラ豪雨対策は、「走っているときだけ」ではありません。ゲリラ豪雨が予想されるときは、クルマを駐める場所にも注意を払う必要があります。

※ ※ ※

 2019年7月に九州を襲った豪雨では、河川敷に設けられた駐車場や市街地の地下駐車場に駐めてあったクルマが河川の増水や流れ込んだ雨水で水没し、それぞれ大きな被害につながりました。

 こうした駐車場での車両水没事故は、これまでにも全国各地でたびたび発生しています。とくにコンクリートやアスファルトで覆われた市街地では、集中豪雨が地下施設に流れ込むことで、短時間のゲリラ豪雨でも想像以上の被害を生む可能性があります。

 ゲリラ豪雨が予想されるときは、浸水の可能性がある駐車場の利用は控え、自走式立体駐車場の上層階にクルマを駐めるようにするなど、ふだんからの意識づけが大切になりそうです。

【画像】突然のゲリラ豪雨… 危険な場所をチェック!

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