スズキの小型車「イグニス」なぜ売れない? 人気の「クロスビー」に隠れてしまう理由とは
クロスビーとイグニス、違いは室内の広びろ感!?
クロスビーとイグニスの販売状況に差がある理由としては、室内の広さの違いが要因として挙げられます。
クロスビーは、ボディの空間効率が高く室内長2175mm×室内高1280mmとなっています。一方、イグニスは室内長2020mm×室内高1250mm。全長は60mmしか差が無いにも関わらず、室内長は155mmもクロスビーの方が広く、室内高にもやや余裕があります。
スズキの販売店スタッフも、「クロスビーとイグニスを比較すると、クロスビーの方が車内の広さが感じられやすいことから、イグニスよりクロスビーが人気となっています」とコメントします。
そして、このふたつの車種に限らず、近年の小型車市場では「室内の広いクルマ」がひとつのトレンドとなっています。
前出の2019年上半期登録車販売ランキングトップ50をみると、9位にコンパクトカーで室内長2180mm×室内高1355mmを実現しているトヨタ「ルーミー」がランクイン(4万5544台)しています。
ルーミーより販売上位のクルマは、いずれも近年流行りのハイブリッドシステム仕様をラインナップしていますが、そんななかガソリン仕様しか持たないルーミーがトップ10にランクインしていることは、かなり好調であるといってよいでしょう。
ボディが共通のトヨタ「タンク」は12位(3万7232台)、ルーミー/タンクのOEM元となるダイハツ「トール」は32位(1万5707台)です。
また、ルーミーのライバル車とされるスズキ「ソリオ」(室内長2515mm×室内高1360mm)もランキング18位(2万4771台)となっています。
コンパクトカーの人気モデルすべてが室内長・室内高の広いクルマという訳ではありませんが、一定数のユーザーが車内の広さを求めていることは明らかです。こういったトレンドがあることが、クロスビー人気を支えているといえるでしょう。
また、前出のスズキ販売店スタッフは、次のようにコメントします。
「クロスビーに搭載されるエンジンが1リッター直列3気筒直噴ターボ+マイルドハイブリッドシステムなのに対し、イグニスは1.2リッター直列4気筒+マイルドハイブリッドシステムを搭載しています。
ターボを搭載するクロスビーの方が加速感が良いことから、そういった点でもクロスビーが好評となっています」
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近年のクロスオーバーモデルの人気は留まるところを知らず、それを受けてスズキも幅広いラインナップを揃えています。
しかし、モデルによって販売状況に差が出ていることを考慮すると、流行りのボディタイプならなんでもよいかというとそうではなく、設計や搭載される装備の違いによって、売れ行きに差が生じるといえるのでしょう。
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