50年以上愛されるスズキ「ジムニー」 伝統と進化のバランスが人気の理由だった?
2018年度の新車販売台数で2万5663台を売り上げ、軽自動車新車販売台数の14位にランクインしたジムニー。オフロード車として根強い人気があるジムニーの、誕生から現在までの歴史を振り返ります。
いまなお人気は衰えないジムニーの歴史を紐解く!
2018年7月に20年ぶりにフルモデルチェンジをおこない、4代目モデルへと進化したズズキの本格的な四輪駆動車の機能と走破性を高めた軽四輪駆動車「ジムニー」。
2018年度の新車販売台数では2万5663台を売り上げていますが、2019年7月現在も納車待ちが続いている人もいるといいます。そんなジムニーは、どのような歴史を経ていまにいたるのでしょうか。
軽自動車では初となる、四輪駆動の本格オフロード車として、1970年4月に初代ジムニーが発売されました。ジムニーを開発するきっかけは、ホープ自動車から「ホープスター ON型4WD」の製造権をスズキが買い取ったことが発端です。
いままでにない「軽の四輪駆動」であるON型4WDをプロトタイプとして、機能性を活かしつつも自社生産に向けて変更を加え、初代ジムニーが誕生しました。
初代ジムニー (LJ10型)は、悪路走破性を高めるためにラダーフレームを基本骨格とし、前後リーフリジッドのサスペンションを装備。タイヤは16インチの大経タイヤを採用し、副変速機で高速・低速の2段階で切り替える本格仕様のクルマとなっています。
乗用車ではなく商用車として発売された初代ジムニーは、土木や建設の現場や山間地での運搬など「プロの道具」として評価を得ました。
また、当時日本で普及していた四輪駆動車は、三菱「ジープ」やトヨタ「ランドクルーザー」など大型車種のみだったため、軽自動車で販売価格や維持費が安く、本格的な機動力を持つジムニーは注目を浴びたのです。
1972年には、空冷エンジンから水冷エンジンに変更したLJ20型を発売、それと同時にジムニー初となるバンモデルLJ20V型が追加されました。
軽自動車規格が変更された1976年には、車体サイズはそのままに新しい水冷直列3気筒2サイクルエンジンを搭載したSJ10型を発売。排気量を550クラスに拡大し、「ジムニー55」の愛称で親しまれます。
そして、スズキ初の4サイクルエンジンを搭載したSJ20型(ジムニー8)を1977年に発売。排気量800ccのエンジンであることから、ジムニー初の小型車登録となったジムニー8は、海外市場へと参入したモデルです。
1970年の発売から11年経った1981年5月に、2代目モデルへフルモデルチェンジをおこないます。2代目ジムニー(SJ30型)は、「Tough&Neat」をキャッチコピーとし、オフロードだけではなくオンロードの性能もアピールしたものとなりました。
乗用車からジムニーに乗り換える人などに向けて、工具なしで簡単に幌を前倒しでき、リアシートを前向きにするなど、初心者に配慮した設計としています。
1987年まで発売されたSJ30型は、日本で最後の2サイクルエンジン搭載の四輪自動車となったのです。
その後、1986年にジムニーでは初めての、ターボ付き水冷4サイクル3気筒エンジンを搭載したJA7型1を発売。1990年には軽自動車の規格が拡大したことにより、エンジン排気量が660ccとなったJA11型を発売しました。JA11型はジムニー初のAT車が設定されたモデルです。
1982年には発売されたSJ40型では、ユーザーから要望の多かった1リッターエンジンを搭載したモデルが登場。これは、海外市場で人気が高かった輸出モデルを、国内で発売したものでした。
また、その後のJB31型では、いまでもラインナップされる「ジムニーシエラ」が登場しています。
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