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ダイハツがおこなう「高齢者目線」の新プロジェクトとは

 一方、ダイハツも高齢者のクルマ移動に関して、新たな提案をおこなっています。

 2019年7月に発売された新型「タント」では、助手席や後席に乗る高齢者の負担軽減を狙った複数の新装備を設定しましたが、これらの装備は新たな考え方に基づいて開発されたといいます。いったい、どのような着眼点に基づいて作られた装備なのでしょうか。

「タント」の装備開発でおこなわれた高齢者に向けた新たな取り組みとは
「タント」の装備開発でおこなわれた高齢者に向けた新たな取り組みとは

 新型タントと同時に発売された高齢者向け装備は、シートやピラーに装着され助手席や後席の乗降性を向上させる「ラクスマグリップ」や、助手席側のボディ下部に設置される「ミラクルオートステップ」、ラクスマステップが握りやすい角度まで助手席が回転する「助手席ターンシート」の3つです。

 これらの装備が生まれた背景には、ユーザーや営業現場からの声があったとダイハツの担当者は説明します。

「弊社はこれまでも数多くの福祉車両をラインナップしてきましたが、実際の高齢ユーザーからは『福祉車両は自分たちの乗るクルマではないと思う』という声が寄せられていました。

 車いすを常時使うわけではない高齢者やその家族にとって、これまでの福祉車両には心理的抵抗があったのではないか、と考えられます。

 営業スタッフからも『福祉車両をお客様におすすめするのは気を使います』という意見があり、我々は今後増加する軽介護に該当する人にぴったりのクルマを用意できていないことに気づいたのです」

 それを受けダイハツは「標準車と福祉車両の『垣根をなくす』」をコンセプトに商品開発をおこないます。それをによって誕生したのが、前述の3つの装備です。

 新開発されたラクスマグリップやミラクルオートステップ、助手席ターンシートは、理学療法士や大学教授、さらに実際のユーザーの意見も取り入れられ、形状や位置、大きさにこだわって開発されたといいます。

 ダイハツは、今後も健康な人から介護が必要となる人まで、より多くの高齢者にシームレスな商品を展開していくとしています。

※ ※ ※

 日本の高齢化はとどまるところを知らず、「国立社会保障・人口問題研究所」によると2025年には65歳以上の人口が30%に達する見込みです。

 そんななか、日産が始めたプロジェクトは高齢ドライバー自身の運転を応援するもので、一方ダイハツの新商品は高齢者が助手席や後席に座り移動することを想定したものですが、ふたつに共通している点として、高齢者の立場や意思を尊重する取り組みであることが挙げられるでしょう。

 超高齢社会となって久しい日本において、高齢者のクルマ移動について新たな向き合い方が求められています。

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