なぜトヨタ「カムリ」日本でパッとしない? クラウン人気の陰に隠れても海外で人気な理由とは
4代目カムリから北米市場を意識したモデルに
1990年に登場する4代目では、日本専用モデルとして5ナンバーサイズが登場。一方で、大型ボディの北米専用FFセダン(日本名:セプター)がカムリの名で米国人気車種に躍り出ます。ここからカムリは完全に米国マーケットを意識した商品戦略で市場に投入されます。
そして、1996年に登場した6代目カムリは、日米で同じボディとなります。新型は従来のイメージを覆すスタイリッシュな外装デザインになりました。
ボディサイズは全長4760mm×全幅1785mm×全高1420mm、ホイールベース2670mmと、クラウンやマークXに匹敵する大きなボディが与えられます。
また、北米仕様車には2.5リッターV型6気筒エンジン搭載車も投入されました。こうして米国ベストセラーとなったカムリは、ますますアメリカのモータリーゼーションにマッチしたクルマとして進化します。
2011年に登場した9代目は、これまでのカムリのイメージを一新するアグレッシブな外観で、これは現行型にもつながるデザインでした。
ボディサイズの最大値は、全長4850mm×全幅1825mm×全高1470mm。ホイールベースは2775mmとクラウンやマークXを凌駕するボディを得ます。
パワーユニットは2.5リッター4気筒、3.5リッターV型6気筒のほかに、2.5リッター+モーターのハイブリッドをラインナップ。
国内市場では元来地味な印象の強いカムリを、世界市場のベストセラーとして日本市場で引き立たせるため、日本向けカムリはハイブリッド専用車として販売しますが、日本ではその大きなボディを持て余し気味で、販売は伸びませんでした。
そして2017年に登場した現行モデルは、スポーティでラグジュアリーな内外装を身にまとったスタイルで、これまでと同様に北米市場で非常に好意的に受け止められています。
日本では、クラウンやマークXといった上位モデルが存在しますが、それらはFF車よりもFR車が高級だという日本のセダンに対する古典的価値観に訴えるセダンです。
日本の高級車としてブランド構築が完璧に出来上がっているクラウンはともかく、マークXは2019年で生産を終えます。カムリは、まだ日本で成功しているとはいえないモデルですが、アグレッシブな外装デザインに室内の美しい仕上げ、そしてハイブリッド車で300万円台、最上級本革内装モデルでも430万円ほどの価格帯です。
トヨタの販売店スタッフは、カムリの販売状況について次のように話します。
「カムリは、主に北米を意識しているモデルです。そのため、日本市場よりも北米市場で売れるモデルでなくてはならないため、ボディサイズは巨大化しています。
しかし国内市場でも、スタイリッシュなデザインや2018年8月に追加された『WS』というスポーティなグレードが、20代から30代のユーザーから支持を得ています」
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最近の国内市場では、米国のシボレー「カマロ」も20代からの人気を得ているといいます。北米育ちのカムリも米国スタイルを持つモデルとして、徐々に国内でも人気が高まっているのかもしれません。
カムリだけでなく、アコード・マキシマ・トーラスなど、米国の量販車が日本でパットしない(しなかった)のは、昔から一般的。米国で売れないと問題だけど。もともと、クラウンと被って無いし。