開放感があって使い勝手もいい! いまや少数派のコンパクト・オープンカー5選
オープンカーというと2シーターのスポーティなモデルや、大型のクーペをベースにしたモデルが一般的ですが、なかにはコンパクトカーをオープンカーに仕立てたモデルも多数存在します。そこで、国内外のコンパクト・オープンカー5車種を紹介します。
いまや少数派のコンパクト・オープンカー
真夏の炎天下では熱中症の危険がありますが、夏の夜や早朝にオープンカーで走るのは、とても爽快感があります。
オープンカーというと、マツダ「ロードスター」に代表される2シーターのスポーティモデルか、メルセデス・ベンツの「Cクラス」や「Eクラス」のカブリオレのような中・大型クーペをベースにしたモデルが一般的です。
一方で、かつてはコンパクトカーをベースにした、4シーターのオープンカーが多数存在した時期もあります。そこそこ荷物も詰めて、4名乗車もできる使い勝手もよいオープンカーです。
そこで、いまは少数派となってしまったコンパクト・オープンカーを5車種ピックアップして紹介します。
●日産「マーチ カブリオレ」
日産の世界戦略車として1982年に「マーチ」が誕生しました。新世代のコンパクトカーとして世界的なヒット作になり、1992年には2代目が発売されます。
この2代目マーチには3ドア、5ドア、ステーションワゴンのボディバリエーションがありましたが、1997年にオープンカーの「マーチ カブリオレ」がラインナップに加わりました。
もともと、リッターカーのマーチですから、室内の広さはそれほど広くありませんでしたが、上手にパッケージングされて4シーターを確保してオープン化されています。
ドアの後ろには剛性確保と万が一の転倒時に乗員を保護するロールバーがあるタイプで、169万8000円(消費税含まず)からと比較的リーズナブルな価格の割には、電動ソフトトップとなっていました。
エンジンは79馬力の1.3リッター直列4気筒のみで、決してパワフルではありませんでしたが、920kg(5MT)と重量増を抑えたため、キビキビと走ることができます。
3代目マーチにも「マイクラC+C」というメタルトップの4シーターのオープンカーがありましたがマーチカブリオレほどのリアの居住性は確保されませんでした。
なお、いまもマーチカブリオレは中古車として流通していますが、価格も40万円前後が現在の相場ですので、手が届きやすいコンパクト・オープンカーとなっています。
●プジョー「205 CTI」
1983年に発表されたプジョー「205」は、スポーティなコンパクトカーとして1986年に日本でも販売が開始されました。
日本では「205 GTI」というホットモデルに人気が集中していましたが、1987年にはグレード展開を拡大。そのうちの1台がオープンモデルの「205 CTI」です。
205自体がデザイン会社である「ピニンファリーナ」が携わっていましたが、オープンモデルではデザインとともに製造もピニンファリーナが担当となっていました。
前出のマーチ カブリオレと同様にロールバーが付くタイプですが、ソフトトップを開けても閉じてもデザインがよいと評判になり、バブル景気という背景もあって、日本でのセールスは好調でした。
なお、すでに30年ほど前のクルマなので中古車の流通量は極めて少なく、入手は困難な状況です。
●フォルクスワーゲン「ゴルフ カブリオレ」
世界中のメーカーがコンパクトカーのベンチマークとしているのが、フォルクスワーゲン「ゴルフ」です。
初代は1974年に発売されて、後にオープンモデルの「ゴルフ カブリオ」(後継車は「カブリオレ」)が加わります。
モデルチェンジを繰り返しながらゴルフ カブリオレは継続して販売されていましたが、2002年に一旦、生産を終了します。
そして2011年に6代目ゴルフでカブリオレが復活。これまでロールバー付きでしたが、本モデルではロールバーがなくなり、より開放感が増しました。転倒時にはリアシートの後ろから自動でバーが出ることで、安全性を担保しています。
ロールバーが無いことと、フラットに収納できるソフトトップが相まって、オープン時のスタイルは美しい姿に変貌。
こうして復活を遂げたゴルフ カブリオレですが、現行の7代目では再び廃止となってしまいました。
歴代のゴルフ カブリオレは流通量が多いので、中古車でもさまざまな車両から選ぶことができます。
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