炎天下では車内でも熱中症の危険が! 夏本番前に知っておきたい対策方法とは

「真夏日」や「猛暑日」が続く夏場では、外気温だけでなく車内気温も上昇します。今回は車内気温が上昇することによる危険性と、上昇した車内気温をすばやく冷やす秘訣について紹介します。

暑さがこたえる夏場の車内

 夏の晴れた日は、短時間でもエアコンを付けてないと車内温度が急上昇することがあります。炎天下における車内にはどのような危険があるのでしょうか。 

炎天下の車内温度には要注意!
炎天下の車内温度には要注意!

 毎年、7月・8月は「真夏日」や「猛暑日」が続き、外気温だけでなく車内気温も上昇します。炎天下に放置されたクルマに、いざ乗り込むと、車内は高温になっているとともに、ハンドルなども熱くなっています。

 日本自動車連盟(JAF)によると、8月の炎天下にクルマを置いた場合、置いてから30分後には車内気温が40℃以上に上昇し、1時間後には50度近くになるというデータがあります。

 温度が上昇した車内では、熱中症や脱水症状を起こす可能性が高くなり、最悪の場合は死に至るケースも。乳幼児や高齢者は体温調節機能が低いため、熱中症にかかるリスクが高く、エアコンを停止した車内では、わずか15分で熱中症指数が危険レベルに達するのです。

 車内気温が上昇したクルマは、ダッシュボードやシートベルト・チャイルドシートの金具が高温になり、火傷をするという危険性もあります。

 また、ダッシュボードは70℃以上の高温になることもあるため、車内にモノを放置すると爆発や故障の恐れもあるのです。なので、夏場はシートベルトなどを着用する際には火傷をしないよう注意し、ダッシュボードに物を置かないよう工夫が必要です。

 では、上昇した車内気温をすばやく冷やすには、どうすればいいのでしょうか。

 日本自動車連盟(JAF)は、過去に一番早く車内温度を下げる方法のテストをおこないました。方法は、「ドア開閉」「冷却スプレー」「エアコンの外気導入」「エアコンの内気循環」「エアコン+走行」のなかから効果的なもの選定。結果は、「エアコン+走行」が一番効果的であることが判明しました。

 具体的な方法として、まず窓を全開にし、エアコンの外気導入にして温度をLoに設定し走行。車内の熱気を出したら窓を閉めて、エアコンを外気導入から内気循環にするというものです。この方法により、実験開始時は55度あった車内気温が、5分後には28度まで低下しました。

 ほかの方法では、外気導入・内気循環でそれぞれ走行した場合は、気温を28度前後まで下げるのに10分かかり、ドアの開閉と冷却スプレーを使用した方法では、55度から5度程度しか車内気温を下げられませんでした。

「エアコン+走行」は、短い時間で車内気温を下げられるため、快適性が早く確保できるだけではなく、排ガスや燃料を抑えることができるので、環境面を考えてもおすすめできる方法です。

 炎天下の駐車場に長時間クルマを放置する場合は、事前に車内温度の対策をおこなう必要があります。

 車内気温の上昇を防ぐ方法として、多くの人が思いつくのが「サンシェード」です。サンシェードは、車内気温の上昇を防ぐというよりも、ダッシュボードの温度上昇を防ぐことが目的となっています。

 サンシェードを使うことによって50度程度まで抑えることができ、直射日光をサンシェードで防ぐことで、車内気温の上昇も同時に防ぐことが可能です。

 サンシェードよりも車内気温の上昇を防ぐのに効果的なのは、「3cmほど窓を開ける」という方法です。窓を少し開けておくことにより、車内の空気が外気と循環して温度の上昇を緩やかにしてくれます。

 また、クルマを日陰に止めるなどをして、車内に直射日光が入り込まないよう工夫するだけで、車内気温の上昇を防ぐことも可能です。

 夏場の車内は暑くなることで、快適性が損なわれるだけではなく、熱中症や脱水症状など健康を害する危険性があります。そのため、車内気温を下げる工夫や車内温度を上げない工夫をして、快適な車内環境を整えましょう。

炎天下の車内温度は要注意! 気をつけたいポイントを画像でチェック!

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