ダイハツ新型「タント」15年間ブレずに進化した歴史とは 独自のポジションを確立できたワケ
長所を伸ばす! 改良を重ねた3代目タント
2013年に、タントは3代目へとフルモデルチェンジがおこなわれます。
同年10月3日に発売された3代目でも、タントはキープコンセプトが貫かれ、車内の使い勝手や燃費など、クルマを日常的に使う人にとって気になる性能により磨きがかかりました。
まず空間設計において、先代で採用された「ミラクルオープンドア」の使い勝手を高める目的で、助手席のスライド幅の拡大が実施されました。従来より10cm拡張されて38cmとなったことにより、車内のフラットな空間をより広くすることができるようになっています。
さらに、着座した場合の頭上から天井までの距離(ヘッドクリアランス)や、前後乗員間の距離などにおいて軽自動車でトップ(発売当時)の広さを実現しました。
ミラクルオープンドアという独自の武器だけでなく、ライバル車と競るポイントとなる車内の広さにおいても、3代目タントは優れた空間設計となっています。
進化したポイントは使い勝手にとどまらず、エンジン設計の最適化や車体設計の見直しによる軽量化など、ユーザーの目に触れない部分にまでおよびます。
その結果、経済性も高く28.0km/Lの省燃費を達成しました。日々の道具としてクルマを使うユーザーにとって、嬉しい改良といえます。
ひとつのコンセプトを極めた先に見えた独自のポジション
そして2019年7月9日に、最新モデルとなる4代目タントが登場しました。4代目においても、引き続き室内空間の広さと使い勝手の良さが特徴となっています。
シートスライド機能は、先代で実現された38cmの助手席側スライドに加え、運転席側に54cmのロングスライドを世界初採用。これによって、歩道側(助手席側ドア)から運転席へ乗り込むことが容易となったほか、停車時に運転席から後席の子どもの世話をしやすくなりました。
さらに、半ドア状態から自動で全閉状態になる「助手席側イージークローザー」や、ドアロックを事前に予約できる「タッチ&ゴーロック機能」、パワースライドドアの自動オープンを予約できる「ウェルカムオープン機能」といった軽自動車初のさまざまな装備が用意されています。
車体設計においては、プラットフォームやパワートレインなどにおいて「DNGA」と呼ばれる新世代のクルマ作りの考え方を全面採用。ボディ骨格全体で約40kgの軽量化を実現したほか、大幅改良を受けたエンジンに新CVTが組み合わされるなど、走行性能が大幅に向上しています。
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タントは歴代モデルにおいて、おもにファミリー層へ向けた改良が積み重ねられてきました。
改良の内容は、室内の広さやスライドドアといった、基本的なパッケージングに関わるものから、シートスライド幅の拡大をはじめとした使い勝手に関わるもの、さらに走行性能・経済性など多岐にわたります。
そういったなか、最新モデルではファミリー層以外も重要なターゲットだとして、開発キーワードには「新世代のライフパートナー」が掲げられました。また、タントについてダイハツは「全世代のお客様のニーズに応えるクルマとなった」と説明しています。
ブレずに進化を続けてきたことで、ほかのスーパーハイトワゴンとはひと味ちがう独自のポジションを築いたタント。ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」など、販売面での競合も多いジャンルにおいて、セールスがどのように推移するか注目されます。
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