ダイハツ新型「タント」15年間ブレずに進化した歴史とは 独自のポジションを確立できたワケ
ダイハツ「タント」の4代目モデルが2019年7月9日に発売されました。じつに15年以上の歴史を持つタントは、モデルチェンジを重ねるなかでどのような進化を遂げてきたのでしょうか。
新たなジャンルを開拓! じつはパイオニア的存在の「タント」
ダイハツ「タント」は、2019年7月9日に4代目となる最新モデルが発売された軽自動車です。軽自動車のなかの人気ジャンル「スーパーハイトワゴン」のポジションを確立させたクルマでもあります。
初代が登場したのは2003年と、いまから15年以上も前です。タントは4代にわたる歴史のなかで、どのような進化を遂げてきたのでしょうか。
初代タントは2003年11月27日に発売され、その約1年半後の2015年6月30日に、専用エアロパーツが装着された「タント カスタム」が発売されました。
車名の由来について、ダイハツは「イタリア語で『とても広い・たくさんの』という意味です。たくさんの幸せをもたらすクルマでありたいとの意を込めたネーミングとなっています」といいます。
初代タントは、発売から1か月で1万台の販売台数を記録するなど、すぐに人気モデルとなりました。
その理由として、ダイハツは「『広い室内空間』『豊富な収納スペース』などで、とくに高評価をいただきました」と説明していますが、このうち「広い室内空間」についてはタントの特徴のひとつである、1700mmを超える高い全高がもたらした利点であるといえます。
タントが登場する以前は、全高1600mmから1700mm程度の車高でヒンジドアをもつ軽乗用車が主流となっていました。こうしたタイプの軽自動車は「トールワゴン」(またはハイトワゴン)と呼ばれます。
なかには全高1700mmを超えるスライドドア車もありましたが、その多くは軽商用車をベースに乗用車化したクルマが中心で、乗員よりも荷物の積載性のほうが優先されているモデルが中心でした。
そんななか登場したタントは、高い車高がもたらす室内の広さや、スライドドアの利便性、そして使い勝手の良い収納スペースで、まるでミニバンのように使える軽自動車として評判が高まります。
こうして生まれたのが「スーパーハイトワゴン」(またはスーパートールワゴン)というジャンルです。このジャンルにおいてタントはパイオニア的な存在といえます。
初代モデルが登場した直後から、タントは「ミニバンなどのファーストカー(世帯のなかでメイン使用されるクルマ)のように使える」と、高い評価を受けました。
こうして、軽自動車にも関わらずファミリー層でも使いやすいという、タントのキャラクターが確立されたといえます。
現在も続くタントの特徴的装備を初採用した2代目タント
タントの2代目モデルが登場したのは2007年12月17日です。このモデルからは、通常のものとカスタムの2仕様が同時に発売されています。
初代から2代目へ進化したタントを象徴する装備として、助手席側のドアに採用された軽自動車初の「ミラクルオープンドア」があります。
この装備は、前席ドアと後席ドアの間にある柱(ピラー)をなくし、前後両方を開けたときに圧倒的な開放感と乗降性を実現したものです。
ドアの開口幅は1480mmにものぼる大きさで、人の乗り降りだけでなく荷物の積載でも活かすことができます。
2代目タントの販売期間中には、同じスーパーハイトワゴンのライバル車が他社から登場していますが、軽乗用車のなかではミラクルオープンドアにあたる装備を備えたクルマは現在まで登場していません。
そして、いまなおタントはミラクルオープンドアを採用し続けており、同車にとってアイデンティティといえる装備となっています。
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