漢字で書くと「婆娑羅」は日産のミニバン! 実は日本語由来だった車名のクルマ5選
「オロチ」はまさに「名は体を表す」というデザイン
●日産「バサラ」
1999年に登場した日産「バサラ」は「ダンディミニバン」をコンセプトに、存在感のあるスタイリングと上質で快適な室内空間を目指したミニバンです。
トップグレードには最高出力220馬力を発揮する3リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載する高級ミニバンで、前年に発売されていた「プレサージュ」の姉妹車でした。
バサラという車名は「ダイヤモンド」を意味するサンスクリット語の「ヴァジャラ」が伝達されて生まれた日本語「婆娑羅」で、ダイナミックで輝くような存在感を表現したといいます。
バサラが販売されていた時期、日産は「セレナ」「エルグランド」「プレーリー」などミニバンのラインナップが過剰だったので、徐々に車種整理が進み、2003年にはプレサージュと統合されて販売は終了します。
さらにプレサージュもエルグランドと統合され、2009年には販売終了となりました。
●光岡「大蛇(オロチ)」
10番目の国産自動車メーカーである光岡が、2001年の東京モーターショーに初出展する際に制作したコンセプトカー「大蛇(オロチ)」は、ホンダ「NSX」をベースとしてパイプフレームを組み合わせ、独自デザインのボディを被せたショーカーでした。
しかしその反響が大きかったために市販化を決定。2003年の東京モーターショーには国内の保安基準に適合したデザインの2作目となるコンセプトモデルを出展し、2005年の東京モーターショーのプレスデーに市販化を発表しました。
オロチの設計開発は5年を費やし、安全性、環境対策などの法基準をクリア。乗用車では1996年の「ミツオカZero1」以来の型式認定車となりました。2006年10月に市販モデルを発表し、2007年4月より販売を開始しています。
車名は日本の神話に登場する「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」から「大蛇(オロチ)」と名付けられました。
ボディは全長4560m×全幅2035mm×全高1180mmと、欧州のスーパーカーを意識したサイズに。デザインもヤマタノオロチにヒントを得たスタイリングで、一見すると「怖い」、しかし「見たい」という衝動に駆られる妖艶さを実現したといいます。
エンジンはトヨタのSUVレクサス「RX330」の3.3リッターV型6気筒DOHCエンジンで、最高出力は233馬力と、スペック的にはスーパーカーではありませんでした。
オロチは2014年に生産を終了しましたが、2018年には中古車のオロチをベースに、永井豪さんのマンガ「デビルマン」とコラボした「デビルマン オロチ」を限定1台で販売するなど、話題となりました。
光岡はほかにも「優雅」(ユーガ)、「凌駕」(リョーガ)、「我流」(ガリュー)、「美遊人」(ビュート)、「卑弥呼」(ヒミコ)など、独自のセンスで漢字をベースにした車名のクルマを制作しました。
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車名はクルマのデザインとともに販売台数を左右する重要なものです。各メーカーとも車名の決定には時間をかけて慎重に行なうといいます。
一方で、現在はグローバルで販売するのが当然なので、世界各地で車名を商標登録する必要もあり、調査も含め登録は手間も時間もかかります。
また、海外の場合は車名がその国でどういう意味になるか、スラングに該当しないか、なども調査が必要です。
実際に優れたクルマであれば車名は数十年も使われることもあるので、多少の手間は仕方ないのかもしれません。
【了】
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