普段使いするからこそ安全重視!「衝突安全性能」ランキング軽自動車TOP5

JNCAPでは自動車アセスメントとして衝突安全性能を数値化して公表していますが、そのなかから軽自動車で優秀な5車種を紹介します。上位のクルマが安全なのはもちろんですが、数値をよく見ると車種によって得手不得手がわかってきます。

軽自動車だからこそ安全性にはこだわりたい

 市販車の安全性能評価試験を行うJNCAP(独立行政法人自動車事故対策機構)は、安全なクルマを選択できる環境づくりと、安全なクルマの普及を目的とした組織です。誰でも「自動車アセスメント」の試験結果を見ることができ、購入時の参考にできます。

日常での使用頻度が高い軽自動車は安心・安全に乗りたい

 日本国内の市販車はすべて、国が定めた道路運送車両の保安基準に適合していますが、衝突時に被害を軽減するための性能や、事故を回避するためのブレーキ性能はメーカーや車種によって異なります。

 そこで、国土交通省とJNCAPは1995年から、安全性能を比較するための「乗員保護性能評価」「歩行者保護性能評価」「シートベルト・リマインダー評価」試験を行なっています。

 結果を一般に公表することで安全なクルマ選びをしやすい環境を整え、一方、メーカーが安全なクルマの開発を促進することで安全なクルマの普及を後押ししています。

 その公表結果から、軽自動車の「衝突安全性能アセスメント」ランキング上位5車(平成24年度から平成29年度に試験が実施された車種)について紹介します。

 従来型も含めた数値になり、2016年度より歩行者保護性能評価の試験方法および評価方法が変更されたため、2016年度からの評価結果(評価車種)は、2011年度から2015年度までの評価と同等となるように補正係数が掛けられています。

●1位 ホンダ「N-BOX G Honda SENSING」新安全性能総合評価:184.1点

人気と安全性能どちらも高い「N-BOX」

 軽自動車の衝突安全性能アセスメントにおいて、新安全性能総合評価:184.1点で1位だったのは、2017年発売のホンダ「N-BOX G Honda SENSING」です。

 広い室内のトールワゴンタイプで、軽自動車の人気ナンバーワンが続いているN-BOXですが、安全性能数値でもナンバーワンと、人気も実力も備えていることになります。

 各評価項目の得点は、乗員保護性能:88.8点、歩行者保護性能:83.67点、乗員がシートベルトをしていないときの警報装置の評価のPSBRは8点満点中の6.0点となっています。これらの合計が184.1点となり、数値だけ見れば登録車と遜色なく、軽自動車だから必ずしも安全性で劣るわけではないことがわかります。

 歩行者が自動車のボンネットおよびフロントウィンドウなどに衝突した場合の「歩行者保護性能」の評価項目では、Aピラーに当たった場合など部分的にダメージが大きなところもありますが、頭部保護性能試験が3.18点、脚部保護性能試験が4.00点、ともに性能評価では最高のレベル5となっており、歩行者の脚については定められた試験条件では重大な傷害を受ける危険性が低いといえそうです。

 安全装置装備状況はABS、エアバッグ左右、サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグ、横すべり防止装置、衝突被害軽減ブレーキ、助手席と後席のシートベルト・リマインダーはすべて装備。

 シートベルト・プリテンショナーは前席のみ、シートベルト・フォース(ロード)リミッターは全席に装備しています。

●2位 ホンダ「N-WGN G・Aパッケージ」新安全性能総合評価:178.8点

すでに新型がアナウンスされている「N-WGN」

 衝突安全性能アセスメントの軽自動車で2位は、新安全性能総合評価:178.8点の2013年に発売されたホンダ「N-WGN G・Aパッケージ」です。

 1位のN-BOXよりも全高は低く1655mmですが、こちらもトールワゴンに分類されます。N-BOXよりも発売が前となり世代は古いですが、アセスメントでは好成績を維持しています。

 N-WGNの点数は乗員保護性能が87.35点、歩行者保護性能が85.50点、PSBRが6.0点。の評価となっています。歩行者をはねてしまった場合の歩行者頭部保護性能はレベル4で点数は3.29点と、Aピラー部分のダメージが大きく、ボンネット左右部分も少し悪くなっています。また、歩行者脚部保護性能はレベル4の4.00点でした。

 安全装置装備状況はN-BOXと同等で、ABS、エアバッグ左右、サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグ、横すべり防止装置、衝突被害軽減ブレーキ、助手席と後席のシートベルト・リマインダーはすべて装備。

 シートベルト・プリテンショナーは前席のみ、シートベルト・フォース(ロード)リミッターは全席に装備しています。

 なお、すでに新型が発表されていますので、安全性能はさらに向上していると予想できます。

●3位 ダイハツ「キャスト スタイル G“SA II”」新安全性能総合評価:166.0点

ダイハツが得意とするバリエーション展開の「キャスト」

 衝突安全性能アセスメントの軽自動車で3位は、新安全性能総合評価:166.0点の2015年に発売されたダイハツ「キャスト スタイル G“SA II”」です。

 スタイリングを重視した軽自動車で、デザインコンセプトの違う「スタイル」「アクティバ」「スポーツ」の3タイプが用意され、アセスメントでも3タイプとも同様の点数となります。

 キャストの点数は乗員保護性能が75.67点、歩行者保護性能が75.81点、PSBRが4.0点の評価となっています。歩行者をはねてしまった場合の歩行者頭部保護性能はレベル4で点数は2.94点で、Aピラーのほかにウインドウ下部のワイパー部分に当たった場合のダメージが大きいほか、ボンネット中央以外は少し悪いです。歩行者脚部保護性能はレベル4の3.37点です。

 安全装置装備状況は、ABS、エアバッグ左右、横すべり防止装置、衝突被害軽減ブレーキはありますが、サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグは装備なし。

 シートベルト・リマインダーは助手席のみで、シートベルト・プリテンショナー、シートベルト・フォース(ロード)リミッターは前席のみの装備と、1位、2位によりも装備は省かれています。

 なお、キャストのOEM、トヨタ「ピクシス ジョイ ファッション/クロスオーバー/スポーツ」も同様の結果となっています。

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