なぜ人気が低迷? 軽でかつての王者「ワゴンR」が「N-BOX」に勝てない理由
現・王者「N-BOX」人気はいつまで続く?
普通車(登録車)を含む新車販売台数において、2年連続となる第1位を獲得したホンダ「N-BOX」。トレンドを上手く捉えているモデルですが、人気はいつまで続くのでしょうか。
ホンダの人気軽自動車「N-BOX」は、軽乗用車最大級の室内空間や全タイプに標準装備とした先進の安全運転支援システム「ホンダ センシング」、優れた走行性能・燃費性能といった部分が好評です。
また、標準モデル「N-BOX」とカスタム仕様「N-BOX custom」というふたつのモデルをベースとし、それぞれ「ベンチシート」、「スーパースライドシート」、「スロープ」という室内レイアウトが異なった仕様をニーズに合わせて展開しています。
「N-BOX」が売れる理由について、ホンダは次のように話します。
「お客様の声として、先代から室内の広さを好評頂いています。また、『N-BOXからN-BOX』へ乗り換えされる方も多く、2017年にフルモデルチェンジした現行モデルは走行性能が向上したことや、利便性、安全性など総合的に普通車と変わらないのが、人気の秘訣といえます」
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一度、「売れているクルマ」のイメージが付けば販売面ではある程度安定して販売することができます。実際の販売現場ではユーザーから「N-BOX」についてどのような声が出ているのでしょうか。
「軽自動車のN-BOXは、日本で一番売れています。従来であれば『売れているから良し』なのですが、実際は良いことばかりではありません。なぜなら、『N-BOX』以外のモデルが売りづらくなっているのです。
たとえば、ホンダを代表するコンパクトカーのフィットを見に来られたお客様が検討の結果、N-BOXに購入されるといったことや、今までオデッセイに乗っていたご家族が乗り換えの際にN-BOXを選ぶなど、販売店として押したい普通車が売れなくなります。
ただし、他社の普通車からN-BOXに乗り換えるということもあるため、『喜びたいけど喜べない』という複雑な感じです」
このように、いまやホンダの屋台骨となっている「N-BOX」ですが、軽自動車の利益率は、あまり高いものではありません。しかし、ホンダにとって「N-BOX」は売れ筋モデルのため、販売をやめるわけにはいきません。
さらに、国内自動車メーカーの軽自動車・普通車の開発者たちは「打倒! N-BOX」とさまざまな改善や改良を施していきます。
前出のスズキは、軽自動車に力を入れている自動車メーカーです。そのため、「ワゴンR」という大黒柱が低迷しても「スペーシア」や「ハスラー」といったモデルで国内ビジネスを維持できます。
しかし、ホンダの主力モデルは普通車です。本来の力配分でいえば、「普通車 > 軽自動車」となりますが、現状の「N-BOX」人気を見る限りは、『N-BOXの人気は維持し続けないといけない』のです。
ホンダの国内ビジネスにとって重要な「N-BOX」。世間のトレンドが変わる前に新たな施策を考えなければいけません。
【了】
N-BOXとワゴンRはジャンルが違うでしょうに
ムーブに負けていることが問題でしょうに