日産「GT-R(R32型)」とマツダ「RX-7(FD型)」 ライバルともいわれた平成の名車とは

RX-7はロータリーエンジンが搭載されたピュアスポーツカー

●1991年(平成3年)12月発売 FD型RX-7

マツダ RX-7(FD型)

 アンフィニ「RX-7(FD型)」は1991年(平成3年)に登場しました。登場直後はマツダの別チャネルである「アンフィニ」を冠していましたが、モデルライフの途中で「マツダ」に変更されています。

 255馬力を発揮する2ローターのロータリーエンジンが搭載されていて、スカイラインGT-Rの280馬力には及ばないものの、ボディからパーツにいたるまで徹底的な軽量化が行なわれ、パワーウェイトレシオは4.9kg/馬力(タイプRグレード)を誇ります。

 ロータリーエンジンに組み込まれたシーケンシャルツインターボは、低回転域ではプライマリータービンのみが動作し、高回転域ではセカンダリータービンが加わることで高出力を発生させる仕組みとなっています。

 改良は生産中止となる2002年までの間に5回行われています。このうち「5型」と呼ばれるモデルで、最高出力が280馬力に達しました。

 かつてRX-7(FD型)のオーナーだった方は、次のようにコメントしています。

「前モデルも大好きだったのですが、FD型のRX-7が発売されてひと目見ただけで虜になってしまいました。当時としては未来的なイメージで、衝撃を受けた覚えがあります。

 性能にも満足していて、よく曲がるクルマだなと感じていましたね。『スポーツカーはパワーだけではないのだよ』と心の中でつぶやいていましたので、スカイラインGT-Rへのライバル心はかなりあったと思います。

 スカイラインGT-Rにも乗ったことがありますが、ハンドルから伝わる重さにビックリし、少し流して走っただけで凄く疲れたことを覚えています」

 ※ ※ ※

 RX-7の生産が中止された後、ロータリーエンジンの灯はマツダ「RX-8」に引き継がれますが、こちらも2012年に生産が終了しました。

 しかし、マツダはロータリーエンジンの研究・開発を継続していることを公言しています。

 2015年の東京モーターショーでは、次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R(スカイアクティブ・アール)」を搭載したコンセプトカー「RX-VISION」を公開しました。

 このコンセプトカーの公開時、マツダはロータリーエンジンの未来について次のようにコメントしています。

「『RX-VISION』は、マツダのデザインテーマ『魂動(こどう)-Soul of Motion』にもとづき、私たちが考える最も美しいFRスポーツカーの造形に挑戦するとともに、次世代ロータリーエンジン『SKYACTIV-R』を搭載した、マツダがいつか実現したい夢を表現したモデルです。

『SKYACTIV-R』という名称には、SKYACTIV技術の開発時と同様に、『常識を打破する志と最新技術をもって課題解決に取り組む』という意味が込められています」

 一方、スカイラインGT-Rの立ち位置を引き継いでいる「GT-R(R35型)」も、次期モデルの登場が囁かれています。一部報道では電動化する可能性も示唆されていることから、環境性能に配慮されたモデルになることも考えられます。

「令和」の時代にも高性能スポーツカーの系譜が引き継がれていくのか、ファンからの期待が高まっている2台だといえるでしょう。

【了】

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