なぜこの県で事故が多発? 県別交通事故発生件数ランキングワースト5

交通事故が起きる要因はさまざまですが、全ての都道府県で均等に事故が起こっているわけではありません。道路事情、交通事情、県民性などの違いによって、県によって発生件数が大きく変わってきます。ランキング形式にしてワースト5をご紹介します。

交通事故は日本全国で毎日約1200件起こっている

 クルマを運転していれば、誰もが避けて通れない問題が交通事故です。2017年に全国で起きた交通事故は47万2165件でしたが、2018年には43万601件まで減少しました。しかし、ここまで減少しても、1年の365日で割ってみると、毎日約1200件も事故が起きていることになります。

交通事故のイメージ

 事故が起きる要因はさまざまですが、じつは全ての都道府県で均等に事故が起こっているわけではありません。道路事情、交通事情、県民性などの違いにより、発生件数は県によって大きな差があります。

 それでは、実際にどの県の交通事故発生率が高いのでしょうか。警視庁交通局がまとめた、47都道府県を対象とする「交通事故件数」に基づいて集計した地域別事故発生件数ランキングを紹介します。2016年度の調査によると、交通事故が多い都道府県上位5位は以下の通りでした。

■5位:静岡県 3万1545件

 富士山という一大観光地がある静岡県。首都圏から手軽に行ける観光名所が数多く存在することもあり、クルマの交通量も常に多い県です。また、静岡県は東京をはじめとする関東圏と、大阪・京都などの関西圏を結ぶ交通の重要なエリアです。そのため、東名高速道路や新東名高速道路をはじめとした主要幹線道路が多く通ります。

 幹線道路を走るクルマは一般道路よりスピードを出しやすく、トラックやバスなども多く走るため、一度事故が起きると大規模なものになってしまいます。

■4位:東京都 3万2489件

 東京都は人口と人口密度が共に日本一です。またクルマの保有台数でも全国トップ3に入ります。乗用車の台数が多いことに加え、トラックやバス、タクシーなども非常に多く走っているので、都内の道路は慢性的に渋滞が起きやすく、交差点も多いのでクルマ同士が交差する機会が非常に多いのです。

 さらに首都ということもあり、必然的に全国各地からクルマが集まってきます。東京都の交通事故発生件数の多さは、それらの要因が招く結果といえるでしょう。

■3位:福岡県 3万7225件

 意外ですが、九州の主要都市がある福岡県が交通事故ワーストランキング第3位です。福岡県の特徴のひとつとして挙げられるのは飲酒運転の多さがあります。福岡県の飲酒運転による事故発生数は、2010年に「全国ワースト1」になったこともあります。

 そのため、福岡県警察では飲酒運転の撲滅に向けてさまざまな取り組みを行い、その成果が表れはじめています。2012年には年間200件を下回り、2018年には144件にまで下がり、年々減少傾向にあります。

■2位:大阪府 3万7928件

 大阪府は東京都に次ぎ日本で2番目に大きな都市として知られています。事故の多さの背景には、東京都と同様、都会ならではのクルマの多さと密度の高さが挙げられるでしょう。

 事故発生ランキングとしては2位の大阪府ですが、交通事故による死者数は減少傾向にあり、2016年の交通事故死者数は統計史上最少となりました。今後、自転車走行区間など通行ルールの整備も進む予定であり、さらなる死者数の減少が期待されています。

■1位:愛知県 4万1554件

 愛知県は全国ワースト1位の不名誉な記録を16年連続で更新していることで有名です。愛知県は日本を代表する自動車メーカーであるトヨタの本社を構え、そのうえ日本で最も乗用車の保有台数が多い県でもあります。

 自動車の保有台数が多くなれば交通事故が発生する確率が高まるのは当然で、愛知県は交通違反者件数が全国ワースト5位になったことがあります。また、車線を無視したりウインカーを出さないで曲がるような走り方を「名古屋走り」とメディアに皮肉られ、交通マナーが悪い県というイメージが定着しています。

 ※ ※ ※

 クルマは人が運転している以上、交通事故を0にすることは難しいのかもしれません。しかし、全ての人が交通ルールや事故発生状況などを把握して、安全運転を心掛ければ減らしていくことが可能です。

 交通事故の発生件数は、2000年から2006年ごろをピークに年々減少傾向が続いていますし、クルマの安全機能も年々性能が上がっていることから、これからも徐々に減少していく傾向にあると予想されます。

 事故のない世の中を作るために私たちができることといえば、交通ルールを守ることと、他車や歩行者に対して常に優しい運転をすることです。みんながそれを心がければ、これからもっと交通事故が少ない社会になっていくはずです。

【了】

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1件のコメント

  1. 交通事故の単純な件数なら、大都市が上位に来るのは明らかなので、県別自動車保有台数や県別人口との比率で、ランキングを出して欲しいです。

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