なぜ復活? 米国で大成功の新型「RAV4」 再導入に見るトヨタのSUV戦略とは

アメリカで人気のタフなデザインに生まれ変わる新型「RAV4」

 そして5代目となる新型「RAV4」は、2018年3月のニューヨークオートショーで発表されました。

 新型「RAV4」のコンセプトは、「Robust Accurate Vehicle with 4 Wheel Drive」(SUVらしい力強さと、使用性へのきめ細やかな配慮を兼ね備えた4WD)というものです。

2018年3月のニューヨークオートショーで初公開された新型「RAV4」

 簡単にいえば、『力強くて、使い勝手も良い』というクルマに生まれ変わりました。顔つきを見ればそのキャラクターはよく分かりますが、大きな六角形のグリルの両側につり目のようなライトが添えられており、アグリーというか、とにかく“イカツイ”のです。

 この顔つきは、日本人的には馴染みが薄いかもしれませんが、実のところアメリカでは、よく知られているデザインです。

 アメリカには、日本にはないライトトラックというジャンルが存在し、同国で一番売れるクルマのジャンルは、乗用車ではなくこのライトトラックなのです。

 そこで戦うのがトヨタ「タンドラ」「タコマ」というモデルになるのですが、これらのデザインが六角形グリルにつり目のライトを特徴としています。

 また、LサイズのSUVである「ランドクルーザー」や「4ランナー(日本名:ハイラックスサーフ)」も同系列。つまり、新型「RAV4」の顔つきは、アメリカ市場においては、巨大なライトトラックやLサイズSUVの弟分というイメージにぴたりとハマるというわけです。決して「プリウス」や「カムリ」の延長線上にあるSUVではないのです。

 つまり、新型「RAV4」は、カジュアルでライトなSUVではなく、力強いマッチョなSUVとして、大成功をおさめたアメリカから帰還するのです。

都会派と本格派の間のちょうどいいポジションを狙う新型「RAV4」

 現在、トヨタの国内でのSUVラインナップは、「C-HR」「ハリアー」「ハイラックス」「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」となります。

新型「RAV4」の内装

 これをイメージで分けると、都会派の「C-HR」「ハリアー」と、本格派の「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」「ハイラックス」に分類できます。

 こうして見ると本格派は根強い人気があるものの、さすがに新鮮味に欠けます。そこにアメリカで大成功した新型「RAV4」を投入するのは、トヨタのSUV戦略としては、ある意味、非常に納得できる作戦ではないでしょうか。

 新型「RAV4」の最大の魅力は、前述のように、アメリカの影響の濃い「タフなデザイン」にあるといえるでしょう。そういう意味では、ライバルとなるホンダ「CR-V」やマツダ「CX-5」、三菱「アウトランダー」、日産「エクストレイル」とは、まったく違った個性を持っています。

 国産・輸入車ともに、多くのメーカーが力を入れているSUVというカテゴリーにおいて、何かと比較するというよりも『RAV4のデザインが気に入った!』と選ぶ人が多いのではないでしょうか。

「RAV4」のような個性的なモデルが投入されることで、2019年はSUV市場がさらに盛り上がりを見せることでしょう。

【了】

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  1. ださい

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