トラックの危険な目つぶし違法ライト急増! 後輪付近にある眩しいライトの正体とは?
保安基準適合の純正路肩灯との違いは?
大型トラックやバスにはバックをする際、確認がしやすいよう「路肩灯」または「タイヤ灯」(後輪灯)が装備されていますが、これらは保安基準でいうところの「その他の灯火」になるため、明るさも300カンデラ以下に定められています。
ちなみに自動車のヘッドライト1灯の明るさが12000-15000カンデラ以上なので、300カンデラはとても暗いことがわかるかと思います。道路運送車両の保安基準の細目を定める、告示第 218 条第 2 項によると、車検適合となる路肩灯の主な条件は以下となります。
・300カンデラ以下であること
・点滅しないこと
・直射光や反射光が他の自動車の運転を妨げないこと
筆者が遭遇したトラックの違法路肩灯は、さすがに点滅はしていませんでしたが、明らかに300カンデラ以上あり、直射光や反射光が他の自動車の運転を妨げている危険なものでした。
巻き込み防止には効果ありだが…
夜間、トラックの後輪タイヤ付近は車種によってはとても暗く、交差点で左折する際なども巻き込み事故の危険性が高まります。照明があれば見えにくい自転車や二輪車を巻き込む危険も大幅に軽減されるでしょう。
また、夜間照明のない駐車場などでも明るいライトがあれば後方確認も安全に行うことが可能になります。安全確認のため、必要な時にだけ点灯するなんらかの側方灯はとても有効に使えることもあると思います。
しかし、それら車検適用外の強烈な光を放つライトが走行中も常時点灯しているのは他の交通に迷惑であり、重大な事故を引き起こす危険もあります。作業灯を路肩灯として使えるよう販売している、とある通販サイトには以下の注意書きがありました。
『走行中は点灯させず、左折時や後退時などに左ウィンカーやバックギアと連動して路肩灯が点灯するような取り付け推奨します』
併せて傘をつけて光が拡散しないよう下向きに照らす配慮も欲しいです。前進走行中に後輪タイヤ付近で眩しい光が点灯している必要はまったくないですし、周囲の車にとっても大変な迷惑になります。
ぜひ周囲へ配慮いただき、このような危険なライトを点灯させたまま走行するトラックが減ることを祈ります。
【了】
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。