新車購入いつが得? 熟成時の「モデル末期」か進化した「最新モデル」か
「モデル末期」は、クルマとしては完成形
どこの世界でも最新のものが最良というのが一般的です。しかし、自動車業界では前出の販売店スタッフがいう『モデル末期=完熟車』という例が存在します。
自動車は、他の工業製品に比べ「走行性能」「安全性能」「快適性能」などといったさまざまな性能を求められ、各分野の技術は日々進化しているのです。
そのため、自動車メーカー各社は『より良いクルマを作る』ために、一部改良やマイナーチェンジを施し、同じ自動車でも初期モデルと末期モデルでは、進化の度合いが大きく違うことがあります。
また、自動車は過酷な環境下に置かれることやさまざまな部品が複雑に絡まっているなど、ある程度時間が経たなければ出てこない不具合も稀に存在。
それゆえに、『モデル末期=完熟車』という図式が成り立ってくるのです。しかし、骨格となる部分は発売当時のものと変わらないために、最良なクルマになるには限度があり、最新の技術や機能が付けられないことも多いのです。
最近のモデル末期代表車としては、2011年に登場した三菱「デリカD:5」。約12年間、地道に改良を続け、根強い人気を誇るモデルです。2018年の年間台数では、新型「エクリプス クロス」や一部改良「アウトランダー」を抜いて、三菱で一番売れたクルマでもあります。
2019年2月には、ディーゼル車のみデザインが大幅に変更されたモデルが登場し話題となりましたが、旧フェイスのガソリン車も併売するなど新旧入り交じった販売方法を行っているのです。
さまざまな理由があるようですが、新旧それぞれを好むユーザーにとっては有り難い選択肢といえます。
「モデル末期車か新型車か」は、人それぞれの好みによりますが、単に「モデル末期」だからといって、マイナスなイメージを持つことはありません。
自動車メーカーによっては、年次改良といって毎年何かしらを改良するところもあります。新車を購入する際は、自分の欲しい自動車がいまどのようなタイミングなのかを見極めることも重要なのです。
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