豪華、ドヤ顔…なぜミニバンは幾度となく変革する? 平成の30年はミニバンの歴史といえる理由
「RV」「ミニバン」「SUV」、さまざまなブームのなかで、ミニバンは幾度となく変革を迎えていました。これからのミニバンはどこに向かうのでしょうか。
平成30年間の歴史はミニバンの歴史ともいえる
最近のクルマ業界では『SUVブーム』といわれ、各自動車メーカーからさまざまなSUVモデルが登場しています。一昔前までは『ミニバン』が盛り上がりを見せ、昨今のSUV同様に多様なラインナップが市販されていました。
なかでも、トヨタ「ノア/ヴォクシー」や「アルファード/ヴェルファイア」、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」は、ユーザーから人気のモデルです。
しかし現在の『ミニバン』市場は大きく変化しています。一部のメーカーでは、ラインナップを減少・廃止したり、ファミリー層以外にターゲットをシフト転換するなど、一時期のようなミニバンの盛り上がりは影を潜めます。今後の『ミニバン市場』はどこに向かうのでしょうか。
1990年代初頭に、“家族での移動”や“レジャー人気”に注目が集まります。また、バブル崩壊の煽りを受け、1台で大勢が一度に移動できる、多人数乗車が可能な『ミニバン』が売れていきます。
トヨタ「エスティマ」とホンダ「オデッセイ」が火付け役存在となり、他の自動車メーカーも追従する形で多様なミニバンモデルが市場に出回るのです。
しかし、2005年頃からミニバン市場に変化が表れます。それまで好調だったミニバン市場の販売台数が激減し始めたのです。その理由には、当時小さかった子どもが社会人となり、家族で移動する機会が無くなったことや燃費に関する意識が世間的に高まったことが挙げられます。
同時に「コンパクトカー」や現在に繋がる「SUV」のジャンルが盛り上がりを見せはじめました。これらを背景に自動車メーカー各社では、2010年前後からラインナップの整理を行い、一定数の需要が存在する『ミニバン』が変革を迎えるのです。
当時、日産「エルグランド(1997年)」や「セレナ(バネットセレナ)」の販売好調だった日産の元販売店スタッフは次のように当時を振り返ります。
「当時のミニバンでは、1997年に登場する『初代エルグランド』や『初代セレナ(バネットセレナ)』が好評でした。
その後、トヨタの『ノア/ヴォクシー』や『アルファード』などが登場し、我々の業界では“第二次ミニバンブーム”と呼んでいますが、来店される子連れのお客様からミニバンの広さに関する質問が多かったのを覚えています」