正統派セダン? アルファロメオ「ジュリア クアドリフォリオ」は競技モデルを超える切れ味!

競技マシンを上回るキレッキレのハンドリングとは?

 そんな過激なクアドリフォリオなのですが、僕が驚いたのは加速感ではなく操縦性です。ステアリングを切り込むと、ハッとするほど鋭く反応するのです。こんなに切れ味のいいハンドリングは、レーシングカーでもそう多くはありません。競技用マシンでも、ここまでシャープなハンドリングではないのです。とことんキレッキレなのです。

シャープでキレのある鋭いハンドリングは競技用でもみかけない

 アルファロメオというメーカーは鋭いハンドリングを好みますが、ここまでキレッキレに設定するとは想像はしていませんでした。

 後輪の左右に力を分け与えるトルクベクタリングという特殊な機構も組み込まれています。この効果も絶大のようで、ステアリング操作と同時に、外側のタイヤに強い力を伝えますから、一般のモデルよりも鋭いコーナリングを披露するのです。

 ハンドルを切り込んでも、期待よりも曲がりづらい特性をアンダーステアと言います。一般的にクルマは、アンダーステアになるように設計されています。ですが、そのアンダーステアが強いと、ドライビングは楽しくありません。

 一方、期待より曲がりすぎる特性をオーバーステアと言います。これはスポーツドライビングを好む人たちには喜ばれる特性なのですが、度がすぎるとスピンしてしまいますので危険でもあります。

 ではどこでバランスさせるか・・という点が難しいのですが、クアドリフォリオは驚くほどオーバーステア傾向に設計をしています。ですからとっても走りに躍動感があり、楽しいのです。

 もちろん最終的にはスピンしづらいように、電子制御が細工をしてくれますから安心です。

アルファロメオ「ジュリア クアドリフォリオ」

 いやはや、FF駆動方式が得意だったアルファロメオがFR駆動方式を採用した意味がわかったような気がします。FFは比較アンダーステアになりやすい機構で、それを嫌ったのです。

 クアドリフォリオは、キレッキレのコーナリング特性にするために、あえてFR駆動方式にチャレンジしたのかもしれません。

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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