日本一売れてるSUVのトヨタ「C-HR」 人気の理由は「日本人の性格」が関係?
「C-HR」は日本人に合うクルマ?
販売台数上位に位置する理由はわかりましたが、実際の「C-HR」はどのようなクルマなのでしょうか。
カタログ上の燃費(JC08モード)は、ガソリン仕様が15.4km/L(4WD)、16.4km/Lガソリン(2WD)。ハイブリッド仕様においては、30.2km/L(2WD)となります。
燃費においても、他車との差が凄くあるわけではありません。実際に、1.2リッター(4WD仕様)を都内近郊の市街地や高速道路を走行した結果でも、市街地(13.2km/L)、高速道路(15.3km/L)です。
とくに燃費を意識した走りをせず、雨という悪天候の数値であればまずまずという印象。また、1.2リッターのターボエンジンは、軽快なレスポンスで街中でも高速でも不満さは感じません。
しかし、日常の使い勝手では「C-HR」の後方視界は気になる部分。サイドウィンドウ下側が高く、後方になるほど上がった形状のため、運転席から左後ろを覗く際に他車に比べて死角が多くなるのです。
さらに、リアウィンドーの面積も小さいために見にくく、バックをする際にリアカメラを装着していないモデルだと不安を感じます。
この点に関し、開発担当者は「このC-HRの後方視界は、デザインを優先しているため、社内基準ギリギリでクリアできました」と話します。
また、デザイン性と使い勝手を両立させた部分が後席ドアのハンドルです。初見ではなかなか開けるのに戸惑います。しかし子供がいる場合、外からドアを開けることが難しいため、駐車時など隣のクルマへのドア傷を防ぐ効果があるようです。
このリアドアハンドルのデザインについて、トヨタは「リアドアハンドルをリアドアガラスのグラフィックとバックドアガラスの間に溶け込むように配置しています。存在感をあえて抑えることで、2ドアクーペのようなスマートな印象を強調しました」と説明します。
デザインのこだわりを優先させた部分、両立させた部分と「C-HR」は単純に個性的を目指したモデルではないようです。
日本人の性格は、他人より目立つことを避ける反面、人と違うモノに引かれる傾向があるといいます。「C-HR」は、トヨタの販売力によって、街中でよく見かけます。
それでいて、競合車とは違う個性があるという部分においては、『日本人に合ったクルマ=売れるクルマ』という構図が当てはまるのかもしれません。
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