ハイブリッド自動車などの「車両接近通報装置」義務化でどう変わる?

近年では環境性能に優れたハイブリッド車やEV車が人気を集めていますが、低燃費、環境配慮が嬉しい反面、車両接近音がしないことで接触事故などの危険もあります。そんな中、国交省はハイブリッド車等へ車両接近通報装置の義務化を発表しました。

「音がしないのが怖い」ハイブリッド車やEV車への声

 国土交通省の自動車局は、2016年10月7日に、道路運送車両の保安基準等の一部改訂を行い、「ハイブリッド自動車等の車両接近通報装置」を義務化することを発表しました。義務化の適用時期は、新型車の場合は、2018年3月8日から、継続生産車の場合は、2020年10月8日からとなっています。

静音性車両の高いEVやPHEVなどで義務付けられる車両接近通報装置のイメージ

「車両接近通報装置」とは、歩行者等に自動車の接近を音で知らせる装置です。従来のガソリン車やディーゼル車では、走行中車両が歩行者等に近づく際、エンジン音がするために車両の接近に気が付けましたが、近年増加しているハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車等では、モーター走行時にエンジン音がしないため、車両が近づいてくることを歩行者等は気付きにくく、事故の危険性が指摘されていました。

 国土交通省は、ハイブリッド車や電気自動車等について、ユーザーなどから「音がしなくて不安を感じる」との意見が自動車メーカーに寄せられたことを受け、2009年7月に「ハイブリッド車等の静音性に関する対策検討委員会」を立ち上げ、対策案の検討がなされました。

 そして同委員会の報告書を踏まえ、2010年1月に国土交通省が、ハイブリッド車等の静音性に関する対策のガイドラインを発行しています。

現在はハイブリッド車で標準装備の車両接近通報装置

 ハイブリッド車の先駆けとして登場したトヨタ「プリウス」の場合、2010年8月30日よりトヨタの販売店で取りつけることができる、3代目プリウス用の車両接近通報装置を1万2600円(消費税込)で発売しました。この装置はEV走行が可能なハイブリッド車の静音性に対応したもので、歩行者等が自動車の接近等を認知できるよう、車の発進から車速約25km/hに至るまでの速度域において、自動で音を発するものでした。

2018年12月に登場した新型「プリウス」も当然、車両接近通報装置を搭載

 また、通報音は、モーター音を模した音とし、車両の走行状態を想起させるとともに、騒音とならないようにも配慮され、さらに、車速の上昇に伴い周波数を高めることで、車速の変化も表していました。

 今では、新車のハイブリッド車を購入すると車両接近通報装置が標準装備されています。

 義務化について国土交通省から回答を得ることはできませんでしたが、同省が公表している資料によると、自動車の安全基準等について、国際的な整合性を図り自動車の安全性等を確保するため、我が国は国際連合の「車両等の型式認定相互承認協定」(以下「相互承認協定」)に1998年に加入し、現在、相互承認協定に基づく規則(以下「協定規則」)について段階的に採用を進めているとのことです。

 そうしたなか、国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第168回会合で、協定規則のうち、新たに「静音性車両に係る協定規則(第138号)」が採択されたことを踏まえ、国内でも静音性車両に係る車両接近通報装置の基準を導入することになったのです。

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