冬の寒さを瞬時に解決? メーカーによって違う「ステアリングヒーター」の作動範囲の違いとは
冬場や寒冷地において、車内が温まるまでは寒さとの戦いとなります。最近では、エアコンが効き始めるまでの補助として、シートヒーターやステアリングヒーターなどの機能を備えたクルマも普及しています。しかし、ステアリングヒーターの作動範囲は、自動車メーカーによって異なりますが、なぜ違うのでしょうか。
あると便利なステアリングヒーター
冬場や寒冷地などでは、エンジン始動から室内が暖かくなるまでの時間は寒さとの戦いです。最近のクルマでは、シートヒーターが標準化されつつあり、エアコンよりも早く身体を温めることができます。
シートヒーターが普及する一方で、運転者はステアリングの冷たさに不満を頂いていました。以前までは、高級グレードに採用されていた「ステアリングヒーター」ですが、最近ではさまざまなグレードで採用することで、徐々に普及し始めています。
ステアリングは、あらゆる状況下で操作するため全体が暖かくなる方がユーザーにとって有り難いことですが、実際に、「ステアリングヒーター」装着車に乗るとほとんどの車種で、ステアリングの一部分しか暖かくなりません。
トヨタ「クラウン」やスバル「フォレスター」、三菱「アウトランダー」は上部下部を除いた範囲、マツダ「CX-5」は“9時15分”の位置にヒーターを配置。ホンダ「N-BOX SLASH」では、ステアリング全体にヒーターが内蔵されています。
なぜ、ステアリング全体を温める仕様の装備が少ないのでしょうか。“9時15分”位置にヒーターを配置するマツダは次のように話します。
「ステアリングヒーターの配置は、各社でさまざま試行錯誤があるかと思います。マツダ車ではグリップ部の9時15分の位置です。この理由として考えられるのは、第一にマツダはクルマを人間に合わせて創る『人間中心の設計思想』に長年取り組んできました。
そのため、理想のドライビングポジションを実現するため、最適な位置にステアリングのスイッチを配置、それに合わせて良く触れる部分の「9時15分」位置にヒーターを内蔵しているのです。
次に、構造上の問題もあります。ステアリングには各スイッチやエアバックユニットといった類の配線や基盤が配置されるほか、デザインや最適なステアリング径などさまざまな要素で構成されているので、あまり複雑化したくないという部分もあります」
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各メーカーの「ステアリングヒーター」には、起動後15分から30分で自動的にOFFになるタイマーが付いているものも存在。現時点では、あくまでも身体や車内が温まるまでの補助的な役割を果たすようです。
また、「ステアリングヒーター」のスイッチは、車種により異なりステアリング内やエアコンパネルなど、初見で見つけるには困難なクルマもありますが、寒い時期にこの機能があれば快適な運転できること間違いなしといえるでしょう。
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