話題の「0円タクシー」 実際の試乗感やキャンペーンの反響は?

実際に乗ってみて、運転手に聞いたキャンペーンの裏側

 実際に利用するのは簡単で、アプリをダウンロードした後、希望の乗車場所を地図上に指定し、さらに会社指定機能で「0円タクシー(どん兵衛タクシー)」を選びます。

「0円タクシー(どん兵衛タクシー)」に乗車するともらえる記念カード

 ここでタクシー会社を指定しないまま呼んでしまうと普通に料金がかかってしまうので要注意。どうやら普通のタクシーを「0円タクシー(どん兵衛タクシー)」と勘違いして呼んでしまう人が続出したようで、わざわざDeNAから注意喚起のお知らせが届いていました。

 地図上で近くに「0円タクシー(どん兵衛タクシー)」のマークがあったらチャンスです。すかさず配車依頼を入れると、指定場所まで配車されます。タクシーを待っている間も「約○分で到着」という案内と、実際に地図上にタクシーが移動している位置を見ることができます。

 タクシーが到着すると、名前を聞かれ本人確認。本来ならアプリ上で行先も指定できるのですが、筆者が乗った際は指定したのもかかわらず2度とも「どこへ参りましょうか」と聞かれてしまいました。このあたりの連携は時間がかかっているのかもしれません。

 乗車後は普通のタクシーと同じようにメーターが回ります。助手席後ろ側のモニターでは「どん兵衛」のCMがループ再生されています。目的地に到着すると乗車の記念カードが渡され、そのまま手続きなどもなく降車となります。

※ ※ ※

 筆者はキャンペーン初期に2度乗れましたが、現在はなかなかつかまらない状況となっているようです。実際に運転手に聞いたところ、利用者の多くは高校生や大学生で、「0円タクシー」をいつも探している若者のようです。

 乗車体験をインスタグラムなどのSNSで共有するという使い方が多いとのこと。乗り合わせた高校生グループが“乗車後に行先を話し合っていて大変だった”という声や“とにかく遠くに行ってみたい”ということで品川駅から23区の北の端まで1万円以上の距離を乗せることもあったようです。

 キャンペーン期間中、運転手は都内を忙しく駆け回ることになりますが、実際の給与について聞いたところ、「会社から提示されている『0円タクシー(どん兵衛タクシー)』の売上は固定制で、1日6万5千円です。通常だと売上は1日5万円前後、いい時で8万円くらい。ただ7時から22時までの勤務で深夜早朝はないので、悪くはないですよ」との回答でした。

 通常、法人タクシー運転手は1日20時間前後(休憩3時間程度含む)働き、その後休むというサイクルで、月に12日ほど働くスタイルが一般的です。これは、乗務員が交代で乗ることによって車両の稼働率を上げるためです。「0円タクシー(どん兵衛タクシー)」車両は時間が決まっていますから、車両としての稼働率は低めとなります。

 運用車種はさまざまで、筆者が乗ったのは2台とも旧式の「セドリック」でしたが、街では「プリウスα」の「0円タクシー」も見かけました。50台をタクシー会社4社で分担して運用しているとのことです。

 ちなみに各社とも選ばれる運転手は事故・違反率の低いベテランが中心。とくにDeNA側から指定があったわけではなく自主的な基準のようですが、万が一、事故が起こってしまうと注目を集めてしまいますから各社とも気を配っているといいます。

 今回の大規模キャンペーン効果もあって、配車アプリ「MOV」のダウンロード数は10倍以上に増えたそうです。「0円タクシー (どん兵衛タクシー)」は2018年内に終了しますが、新たなスポンサーが付けば続編企画がスタートするかも知れません。

【了】

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