早ければ今シーズンから始まる「新チェーン規制」は規制強化ではなく、むしろ「規制緩和」
これまでのチェーン規制との大きな違いとは?
これまでも高速道路を中心に「冬用タイヤ規制」「チェーン装着義務規制」「チェーン装着車以外通行禁止」などの措置は行われて来ました。しかし、これらは沖縄県を除く都道府県の公安委員会によって道路交通法施行細則などをもとに運用され、道路管理者による「指導」という形で実施されていたもので、道路交通法(本則)にはチェーン規制に関わる規制標識を含め、冬用タイヤやタイヤチェーンに関する規則はありませんでした。
それが今回、道路交通法と道路法でチェーン装着に関する新たな省令が定められることになり、各都道府県でそれぞれ実施されていた規制が新たに標識も定められ、道路交通法や道路法といった「全国区の法律」として規制が行われることになりました。「都道府県主導ではなく、国が主導する」、これが新チェーン規制と、これまでのチェーン規制との大きな違いとなります。
新チェーン規制はいつから始まる?
国交省では新たなチェーン規制を早ければ今シーズンから開始したいと考えています。しかしその前には、「改正標識令」の認可がマストなので、正確には標識令が改正され、チェーン装着の標識が規制区間に設置される準備が整ってから、ということになります。
大雪警報などが出たタイミングで改正標識令に基づくチェーン規制を開始することになるので、指定された13の指定区間で通行止めになるような大雪が降らなければ新たなチェーン規制は実施されません。
また、国交省と警察庁では規制区間の周辺にはチェーン脱着場を整備し、安全にチェーンの脱着ができるよう配慮するとともに、大雪が予想される2~3日前より通行止め実施の可能性がある旨について事前広報を行い、不要不急の外出を控えることや広域迂回、並びに物流車両の運行計画の見直しなどについて、地域住民や道路利用者に周知していくことを公表しています。
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Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。