「スタッドレスタイヤ自動判別システム」まもなく実用化へ 冬用タイヤ規制での渋滞なくなる?
これまでと違ってどんな効果がある?
カメラでタイヤを撮影し、画像処理による自動判別をすることで、どのような効果が生まれるのでしょうか? 開発元のNEXCOエンジニアリング四国経営企画本部に聞いてみました。
――これまでの判別方法と異なることは?
冬用タイヤ規制が出された場合、サービスエリアや高速道路の入り口などでスタッドレスかどうか? もしくはチェーンを履いているか? などのチェックを行ってきました。
これまでは作業員が1台1台、車を停止させてタイヤを確認していましたが、これには多くの人的コスト、長い拘束時間が必要でした。当然渋滞も発生しやすくなります。
本システムによるチェックでは、速度30km/h以下の走行車両をカメラで撮影して自動判別するため、少ない人員でスムーズにチェックできますし、渋滞の発生も抑えることができます。
――実用化はいつ頃の予定でしょうか?
現在、実用化に向けてのテストは最終段階に来ています。サマータイヤをスタッドレスタイヤに誤認識することは100%ないのですが、スタッドレスタイヤの判別はそこそこエラーがでます。ここを改善して実用化を目指す予定です。
なぜ雪があまり降らない暖かい四国で開発?
実用化され、冬用タイヤ規制が敷かれる全国の地域に普及することで、大幅な人的コスト削減、渋滞削減が実現しそうですが、開発した会社は四国の香川県高松市にあります。あまり雪が降るイメージがないのですが、なぜ四国だったのでしょうか?
「寒い地域、雪が多く降る地域の車は例年降雪シーズン前の11月終わりから12月にかけてスタッドレスに交換しますので、冬はスタッドレスが当たり前です。四国はたしかに暖かくタイヤ交換が必要になるほどの雪が降ることは少ないですが、逆に言えば雪に慣れていない、スタッドレスにも履き替えない車が多いことになります。
そこで冬用タイヤ規制を実施した場合、チェックには時間が掛かり渋滞も多く発生することから、自動判別のニーズがあると開発に至りました。もちろん、四国以外の雪が多く降るエリアでも導入していただけると良いですね」(NEXCO西日本エンジニアリング四国営業推進本部)
【了】
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。