「これイイ!」日本も注目!? ジープ新型「グラディエーター」はなぜ人々の心をつかむのか

ジープが「グラディエーター」というニューモデルを発表しました。この新型グラディエーター、日本からショーへ取材に駆けつけたメディアや各国から取材に来ている報道関係者の多くが「これはイイ!」「いつ出るの?」というほどの人気だったのです。それほどまでに注目を集める新型グラディエーターとは、果たしてどんなクルマなのでしょうか。

新型プリウスや新型Mazda3だけじゃなかった、LAショーの注目モデル

 アメリカで開催されているロサンゼルスオートショー2018では、マツダ新型「Mazda3」やトヨタ新型「プリウス」が注目されていますが、実はジープが発表したニューモデルが凄く注目されています。その名は「グラディエーター」。このジープ新型グラディエーター、日本からショーへ取材に駆けつけたメディアや各国から取材に来ている報道関係者の多くが「これはイイ!」「いつ出るの?」というほどの人気だったのです。それほどまでに注目を集める新型グラディエーターとは、果たしてどんなクルマなのでしょうか。

各国のメディアが注目したジープ新型「グラディエーター」

 もっとも単純に新型グラディエーターを表現すると、ジープ「ラングラー」のトラックです。ラングラーとはジープブランドのルーツとなる「ウィリスMB型」の血を受け継ぐ、ジープブランドのなかでももっとも伝統的であり、もっとも高い悪路走破性を持つ「ジープの魂」といえるモデル。そんなラングラーをベースに、車体後部に荷台(現地ではベッドと呼ばれる)を取り付けてピックアップトラックとしたのが新型グラディエーターなのです。

 外観はフロントから後部座席にかけてジープの4ドアロングボディである「アンリミテッド」に準じていますが、Cピラーから後ろは独自設計。荷台を装着しています。荷室長さは約152cmなので、軽トラックの3/4程度とイメージすればいいでしょう。

 車体はラングラーのアンリミテッドに比べて約64cmも伸ばした全長5539mmとかなりの長さ。ホイールベースも約48cm伸びていて、それはラングラーアンリミテッドの後輪がリアドア直後にあるのに対し、グラディエーターはさらに後ろに取り付けられていることからもわかります。

 搭載エンジンは285馬力を発生する3.6リッターV6自然吸気ガソリンと260馬力の3リッターV6ディーゼルを設定。トランスミッションはガソリン車が6速MTを標準として8速ATをオプション。ディーゼルは8速ATを標準搭載するそうです。

 もちろん、強靭なトランスファーやアクスルを備えた4WDシステムを組み込み、高い悪路走破性を備えているのはラングラーと変わりません。よりローギヤードな副変速機など悪路走行のために凝ったメカニズムを搭載するグレード「ルビコン」も設定されます。

新型グラディエーターはなぜ人々の心をつかむのか?

 もっとも大きな理由は、「ジープ・ラングラー」という誰でも知っている、アメリカを代表する個性的なクルマをベースに、これまたアメリカを象徴する存在であり人気も絶大なジャンルの「ピックアップトラック」に仕立てていることでしょう。とにかく単純でわかりやすく、「これぞアメリカ!」なのです。

とくに最新技術も投入されているわけでもなく、「わかりやすいクルマに仕上げられたことが共感されている」ジープ新型「グラディエーター」

 もうひとつは、ラングラーの個性をしっかりと継承していること。強靭な車体、ハードな使用にも耐える4WDシステム、そして高い悪路走破性。さらには天井を外せるフリーダムトップや外せるドア、前に倒れるフロントウインドウなどラングラーの特徴はすべて盛り込まれました。

 ジープのスタッフは、「単純でわかりやすいクルマに仕上げた新型グラディエーターは、人々の高い期待に対しても裏切ることがなく、誰もがガッカリする必要がありません。多くのアメリカ人がもつ開拓者精神をくすぐるクルマであり、そこにクルマ好きの日本人までもが共感できるクルマとなっているのではないでしょうか」と話します。

 この新型グラディエーターは、デザインや発想に新しい要素は見当たらず、誰もが驚く最新技術が使われているわけでもありません。しかし、そんなクルマでも発想によっては多くの人の心を惹きつけることができるということを新型グラディエーターは語っているような気がします。

「ほーら、こんなクルマが欲しいんでしょ?」

 このクルマを企画したジープのスタッフは、モーターショー会場に訪れた人々の反応を見ながら、してやったりと思っているに違いありません。ニッコリと満面の笑みを浮かべながら。

【了】

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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