国内バン市場が過熱、日産も参戦 ルノー「カングー」を日産ブランドで 広がる商用車のOEM、そのメリットとは
日産版「カングー」、商用だけじゃない?
「カングー」を商用車「NV250」としてラインアップすることについて、日産はどう考えているのでしょうか。
「『カングー』はそもそもが商用車。日本でも欧州と同じように、ビジネスで利用いただくことを想定しています」とのこと。ただ、「バン」と「ワゴン」の2タイプでラインアップするといい、このうち「ワゴン」は乗用の3ナンバー車とのこと。日本における「カングー」と同じような立ち位置になるかもしれません。
そして今回さらに、サンドヴィル工場における三菱車の生産も発表されました。同工場はルノーの小型商用車「トラフィック」をはじめ、イタリアのフィアットや日産向け小型車両の生産拠点ですが、「トラフィック」のプラットフォームを採用した車両を、三菱がオーストラリアやニュージーランド向けに調達するそうです。
日産が欧州で展開している「NV300」も、このルノー「トラフィック」のOEM(相手先ブランド)車。ほかにフィアット、ドイツのオペル、イギリスのボクスホールにもOEM供給されており、ここに三菱が加われば6メーカー展開の車種となります。
このようなOEMは、供給する側にとっては自社の生産量を確保し、工場を安定的に稼働できる、供給を受ける側としては、自社開発が難しい車種を補完できるといったメリットがあります。たとえば日本でも、日産、三菱、マツダがスズキから、トヨタ、スバルがダイハツからそれぞれ軽バンなどのOEM供給を受けているほか、国内外で、企業グループの垣根を超えた供給も見られます。
ルノー・日産・三菱アライアンスのカルロス・ゴーン会長は、「ルノーグループの有するグローバルなバンの専門知識は、アライアンスのシナジー創出を加速させる」とし、100%電気自動車と小型商用車をルノーグループにおける成長の2本柱と位置付けています。ルノーの供給を含め、グローバルなOEMの流れが今後さらに加速するかもしれません。
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