冬場の自動車トラブルで意外な盲点 凍結やCO中毒などの対策方法とは
クルマが雪で埋まった場合の危険とは
寒冷地でのトラブル以外に、降雪地の駐車でもトラブルが発生します。降雪量が多い地域では、一晩でクルマがすっぽり埋まってしまうほどの雪が積もります。
この際に注意したいのが、マフラー部分が雪に埋もれている状態でのエンジン始動です。埋もれたまま始動すると排気ガスが適切に排出されず、車内に一酸化炭素(CO)などの有毒ガスが溜まり危険です。
一酸化炭素(CO)とは、空気より軽く、無色・無臭・無刺激の気体で、発生に気付かないことが多く、危険の察知が非常に難しい有毒ガスです。一酸化炭素は、吸い込むと身体が酸素欠乏状態となり、頭痛や疲労感、めまい、耳鳴り、吐き気という軽度なものから意識障害や痙攣、昏睡状態など重度な中毒症状になる可能性があり、最悪の場合には死に至ります。
日本自動車連盟(JAF)が過去に実施したユーザーテストによれば、クルマの周囲やボンネットの上まで雪に埋もれている状態でエンジン始動すると、排ガスが車体の下側に滞まり空調の外気導入口を伝って車内に吸い込まれます。
エンジン始動後の約16分で車内の一酸化炭素濃度が『3時間そのままだと致死』するレベルに達する結果になり、空調を内気循環にしても、車体の隙間などから排ガスが車内に入る危険性があると説明。
対策方法として「マフラー周辺を除雪せず、運転席の窓を5センチほど開けるだけでは、風がやむと『2時間ほどで失神』するレベルまで濃度が上昇した実験例もあります。排気ガスが出るマフラーの周辺を定期的に除雪し、冬場は万が一に備えて、除雪用スコップなども車内に装備しておくことを推奨します」と除雪の重要性を訴えています。
冬のお出かけには、雪道での運転方法以外にも駐車時の凍結や排気ガスなどに注意し、日頃から対策方法やグッズを備えていおくことが重要と言えます。
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