トヨタが「教育本部」新設! 豊田章男会長が本部長に 2027年1月の組織改正を発表
トヨタ自動車は2026年11月5日、2027年1月1日付の組織改正と役員・幹部職人事を発表しました。教育本部などの新設や技術開発組織や地域本部の再編を行います。一体どのような体制になるのでしょうか。
豊田会長が自ら次世代を育成 「管理」から「看理」への転換も
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2026年11月5日、2027年1月1日付の組織改正と役員・幹部職人事を発表しました。
同社が発表した今回の組織改正は、「人づくりと経営基盤の強化」「技術・事業開発機能の実行力強化」「地域経営の更なる進化」の3つを柱としています。

人づくりでは、「モノづくりは人づくり」の原点に立ち、人材育成をトヨタの将来を左右する重要な経営テーマと位置づけ、教育本部を新設します。
本部長は豊田章男会長が兼務。自ら教育に携わり、幾多の困難の中で培った経験や、先人から受け継いだトヨタの思想・技・所作を、現場や実務を通じて次世代につなぎます。
実際の仕事を教育の場とし、一人ひとりの個性を生かしながら、自ら考え、悩み、挑戦し、「自分以外の誰かのために」行動できる人材を育成する方針です。
教育本部のFellowには、現・総務・人事本部Fellowの藤井英樹氏が就きます。また、東崇徳氏と大野芳徳氏も教育本部を担当し、必要に応じて本部長代行を担います。
経営基盤では、総務・人事本部と経理本部を廃止し、両本部の機能を再編した看理本部を新設します。
「看理」は、従来の「管理」から発想を転換するものです。「看る」の「看」が手と目という文字で構成されるように、働く仲間や現場をよく見て、寄り添い、支え、時には引っ張るという思想を込めたといいます。
ヒト・モノ・カネを従来のように管理するのではなく、総務・人事・経理などの専門性を、もっと現場で生かす考えです。会社や現場、働く仲間を支えるサービス機能として、やりがいや現場での挑戦を支える「応援団」を目指します。
本部長には、現・総務・人事本部長の大野氏が就任。同氏は、Chief Risk OfficerとChief Compliance Officerも継続します。看理本部Fellowには、現・トヨタ自動車東日本の幼方俊彦氏が就きます。
渉外広報本部も再編します。企業価値の向上に向け、広報機能とIR機能の一部を統合。メディア・投資家への情報発信を一元化し、コーポレートコミュニケーション機能を強化します。
さらに、トヨタ、Lexus International Company、GAZOO Racing Companyの一部広報機能を統合し、各ブランドに共通する商品・技術広報の発信業務を集約・最適化します。不確実性が高まるグローバル環境に対応するため、渉外機能と調査機能も統合し、企業インテリジェンス機能を強化します。
ロボットを将来の事業の柱に 技術開発と地域経営も再編
技術・事業開発では、全社直轄組織のトヨタロボティクスを新設します。
自動車事業で培った技術や現場力を土台に、時代に求められるもの、必要とされるものを創り続けるため、ロボットを将来の重要な事業の柱と位置づけます。人の仕事を奪う存在ではなく、人に寄り添い、人の可能性を広げるパートナーとして社会実装することを目指します。
組織長は、執行役員兼Chief Production Officerの志賀武文氏が兼務し、モノづくり技術本部長も継続します。
社内に分散するロボティクス関連の知見・人材・機能を結集し、開発部門と緊密に連携。モノづくりの現場が抱える課題やニーズを起点に、現場展開、実用化、事業化を加速するとともに、人とロボットが共生する社会に向けた価値創出に取り組みます。
一方、CN開発センターは廃止し、パワートレーンカンパニーへ機能を統合します。同センターが培った技術・活動・人材の基盤を、ハイブリッドを中心とするパワートレーンの企画、先行開発、量産開発と一体化します。
カーボンニュートラルの実現に向け、技術の探索・開発から商品や地域への実装までを一気通貫で進め、顧客に多様な選択肢を届ける取り組みを加速します。
未来創生センターも廃止し、先進技術開発カンパニーとデジタルソフト開発センターへ統合します。将来技術の研究・探索を、技術開発や社会実装を担う組織と密接につなぐ狙いです。
研究・探索活動を独立した組織内にとどめず、関連技術や事業と一体で進め、研究成果を新たなモビリティや社会価値につなげます。
地域経営では、「商品と地域を軸にした経営」のもと、地域を最もよく知るリーダーが顧客と現場を起点に、自ら考え、迅速に判断・実行する体制を進化させます。
北米、中国、アジアの経営を担う地域CEOと事業・販売Presidentを交替し、次世代のリーダーを主体に、各地域でモビリティカンパニーへの変革を進めます。事業・販売機能が地域を越えて知見や強みをつなぎ、地域の挑戦を支えることで、地域ごとの最適とトヨタ全体の競争力向上を目指します。
また、インド・中東・東アジア・オセアニア本部を廃止・分割し、インド・中東本部と東アジア・オセアニア本部を新設します。
幅広い地域を一つの本部で担う体制から、市場環境や成長段階、事業課題の違いに応じて現場に深く向き合う体制へ移行。現場での即断即決と「町いちばん」の取り組みを加速します。
インド・中東本部では、インドでの新工場の立ち上げや地域内の事業・機能の連携など、将来の成長に向けた事業基盤を強化します。本部長には、現・インド・中東・東アジア・オセアニア本部長の吉村公一氏が就きます。
東アジア・オセアニア本部では、各国・地域の顧客や販売・生産現場に寄り添い、市場に応じた商品・サービスと事業運営を推進します。
本部長には、現・経理本部長で、インド・中東・東アジア・オセアニア本部の台湾担当(統括部長)と技術支援部担当を務める東氏が就任します。技術支援部担当を継続し、前述の教育本部も担当します。
今回の再編では、人材育成から技術開発、地域経営まで、現場を起点とする体制づくりが進められます。トヨタは、それぞれの専門性や研究成果を現場での実行につなげ、将来の成長とモビリティカンパニーへの変革を進める考えです。











