ペットのクルマ酔いはなぜ起きる? 獣医師が教えるペットの過ごしやすい車内環境とは
山間を赤く染める紅葉や、季節ならではの旨味の詰まった海や山の幸を味わうなど、秋ならではの醍醐味を楽しめる11月は、一年を通してみてもドライブに最適な時期といえます。過ごしやすい季節だけにペットとドライブを楽しむ方も少なくないでしょうが、そこで問題となるのが動物のクルマ酔いです。
最適な車内環境と正しい対処法でペットのクルマ酔いを防ぐ
一般社団法人ペットフード協会の発表(2017年12月22日発表)によると、日本における犬・猫の飼育数の全国合計は、1844万6000頭(犬:892万頭、猫:952万6000頭)とかなりの数になっていますが、そうしたことを踏まえれば、休日に愛犬や愛猫とクルマでドライブを楽しまれる方も少なくはないでしょう。
そこで心配なのが、愛犬や愛猫のクルマ酔いですが、ここでは社団法人「日本獣医師会」に所属する福岡県の「折尾動物病院」にその対策法や正しい対処法をうかがってみました。
――犬や猫が車酔いしてしまうメカニズムを教えて下さい。
車酔いは動揺病(どうよう病)とも呼ばれ、基本的なメカニズムは人間と同じです。乗り物の動揺によって耳の中にある傾きや回転を感知する「前庭」という器官が刺激され、それが延髄にある嘔吐中枢に伝わり、嘔吐などの車酔いの症状を引き起こします。一般的に猫は犬に比べて車酔いしにくいと言われています。
――車内の匂いによっても酔ってしまうことはありますか。
匂いが直接、車酔いの原因になるかは分かりませんが、犬は匂いに敏感であるため、ある種の匂いを不快に感じることや、一度車酔いを経験したことがある場合は、匂いでそれを記憶している可能性があり、精神的ストレスを感じるため、車酔いを繰り返しやすいということはあるかもしれません。
――人間と同じように、犬の場合でも乗り物酔いに対する個体差などはありますか?
車酔いに対する感受性は個体差が非常に大きいため、動物の様子をよく観察してあげることが重要です。
――ペットが車酔いしないような運転方法や、車内環境を教えて下さい。
車酔いは予防することが大切です。具体的な方法としては、「動物の動きを制限するような車内ゲージを設置する」、「長距離運転の場合は、こまめに車から降ろして散歩させる」、「満腹あるいは過度の空腹の状態では嘔吐しやすいので、そのような際には車に乗せない」などが効果的であると考えられます。
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近年では、ドッグランや広い芝生が用意されたペット同伴可能な道の駅も多数存在しています。ここでお伝えしたように、ペット連れに適した施設などでこまめに休憩や散歩を行うことで、愛犬や愛猫との快適なドライブを楽しむことができます。
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