トヨタ「ランクル300」に457馬力の新ハイブリッド! 「7人乗り&1500W電源」も魅力! 約350万円安い「GXディーゼル」と何が違う?
ハイブリッドが加わったトヨタ「ランドクルーザー300」。最安のGXディーゼルとZXハイブリッドの価格差は約350万円ですが、同じZX同士では約105万円です。価格差の中身を整理し、使い方に合う選び方を考えます。
約350万円差には装備の違いも! 630万円台のGXはどんな人向き?
ランドクルーザー300を選ぶ際に、筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)がまず考えたいのは、「何人で乗り、どこで何をするか」です。ハイブリッドとディーゼルでは乗車定員が異なり、グレードによって悪路用の機能や快適装備にも違いがあります。
トヨタは2026年9月16日、ランドクルーザー300の一部改良を発表し、10月1日に発売しました。今回、ZXとGR SPORTにハイブリッドが加わり、GXはガソリンからディーゼルへ変更されています。

ハイブリッドは、3.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンとモーターを組み合わせ、システム最高出力457PS、システム最大トルク790Nmを発揮。ディーゼルエンジンの最大トルク700Nmを90Nm上回ります。
価格はZXハイブリッドが980万1000円、GR SPORTハイブリッドが1020万300円です(以下、価格は消費税込)。
最も価格を抑えたGXディーゼルは630万800円。ZXハイブリッドとの差は350万200円ですが、この差にはパワートレインだけでなく、グレードによる装備の違いも含まれます。
GXが備えるのは、3.3リッターV6ツインターボディーゼルに、前後の電動デフロック、18インチアルミホイール、アルミサイドステップといった装備です。
デフロックは、左右の車輪を直結し、片輪が空転しやすい岩場やぬかるみなどで、反対側のタイヤにも駆動力を伝える仕組みです。豪華な内装より、こうした悪路で使う機能を重視する人には、GXが候補になります。
シート表皮はファブリックで、前席の調整も手動式です。必要な機能を絞り、購入価格を抑えて選べるところがGXの持ち味といえるでしょう。
日常や長距離移動での快適装備、室内の仕立ても求めるなら、ZXに目を向けたいところです。
ZXは、本革の電動シートに加え、ダンパーの減衰力を自動調整するAVS、JBLプレミアムサウンドシステム、後席モニター、飲み物などを保冷できるクールボックスを標準装備。同じディーゼルでもGXとの差は244万9700円で、装備をどこまで求めるかが選択に関わります。
なお、専用の足回りやサスペンション制御、前後デフロックを備えるGR SPORTもあります。GXは、悪路向けの機能を比較的抑えた価格で選びたい人に向く、という位置づけです。
同じZXなら約105万円差! 「7人乗り」と「1500W電源」を使うかがカギ
ZXまでグレードを絞ると、ハイブリッドとディーゼルの違いが見えやすくなります。
ZXディーゼルは875万500円で、ハイブリッドとの差は105万500円。「ハイブリッドかディーゼルか」を同じグレードで比べると、約350万円ではなく、約105万円の差になるのです。
使い勝手で大きく違うのは、乗車定員です。ディーゼルは2列シートの5人乗り、ハイブリッドは3列シートの7人乗りとなります。ランドクルーザー300で6人以上が乗る機会を想定するなら、ハイブリッドが候補になります。
ハイブリッドのサードシートは電動格納式で、荷室には上下2段に分けて使えるフレキシブルデッキボードを採用しています。乗れる人数に加え、シートを使った状態で必要な荷物が積めるかも、実車で確認したいところです。
さらに、AC100Vのアクセサリーコンセントを2か所に標準装備。使える電力は2か所合計で1500Wまでです。アウトドアで電気製品を使いたい人にとっては、出力の高さとは別に、選ぶ理由になる装備でしょう。
また、燃料代を考える際には、ハイブリッドという名称だけで判断しないことが大切です。
ZXのWLTCモード燃費は、ハイブリッドが9.4km/L、ディーゼルが9.7km/L。カタログ値ではディーゼルがわずかに上回ります。使用燃料も、ハイブリッドはハイオクガソリン、ディーゼルは軽油です。
実際の燃費は使い方で変わるため、年間の走行距離や給油時の燃料単価も合わせて比べたいところです。7人乗りや給電機能を使うのか、それとも5人乗りで十分なのか。約105万円の差額を、どの機能のために支払うかが判断の分かれ目になります。
ランクルでは売却時の価格も気になりますが、新設定のハイブリッドが将来どのように評価されるかは、現時点ではわかりません。リセールへの期待だけでなく、所有している間に得られる便利さや負担も踏まえて選びたいところです。
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悪路で使う機能を重視し、購入価格も抑えたいならGX。快適装備や上質な内装も求めるならZXが候補になります。
そのうえで、6人以上の乗車や1500W電源を使いたいならハイブリッド、5人乗りで足り、燃費や燃料の違いを重視するならディーゼルを検討する、という順番です。
「高いほうが自分に合う」とは限りません。走る道、乗る人数、持っていく荷物を思い浮かべると、必要なランクルの姿も、より具体的に見えてくるのではないでしょうか。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど




































