ホンダ「3列ミニバン」がスゴイ! 対面式シート&斬新「窓無しリア」採用! 超“広びろ内装”もイイ「スライドドアモデル」スペースハブとは
ホンダがCES 2024で披露した「スペースハブ」の空間思想は「Honda 0 SUV」へ踏襲されましたが、同車は2026年3月に開発・発売中止となりました。この異色のBEVは何を残したのでしょうか。
対面シートとガラスルーフが生んだ“超開放空間”
ホンダが2024年1月のCES 2024で世界初公開したコンセプトモデル「スペースハブ(SPACE-HUB)」。リアウインドウを持たないミニバンタイプのBEV(バッテリー式電気自動車)で、後席に人が向かい合って座れる空間を備えていました。その大胆な造形は、国際的なデザイン賞の受賞にもつながっています。
スペースハブは、次世代BEV「Honda 0(ホンダ ゼロ)シリーズ」を象徴する2台のコンセプトモデルのうちの1台。フラッグシップの「サルーン(SALOON)」とともに世界初公開され、同じ場では次世代モデル向けの新しい「Hマーク」も披露されました。
0シリーズは、ホンダのクルマづくりの出発点に立ち返り、ゼロから全く新しいBEVを創造するという決意を込めたシリーズです。CES 2024の発表時点では、第1弾を2026年に北米市場へ投入し、その後は日本やアジア、欧州などへ順次展開する計画が示されていました。
スペースハブのテーマは「人々の暮らしの拡張」。ユーザーの「やりたい」に即座に応えるフレキシブルな空間を備え、人と人、人と社会をつなぐハブとなって共鳴を生み出す、という思いが込められています。
0シリーズ全体の開発アプローチは「Thin, Light, and Wise(薄い、軽い、賢い)」。フロア高を抑えたBEV専用プラットフォームなどにより、従来の厚くて重いBEVからの転換を目指したものです。
エクステリアは、シリーズ共通のデザインコンセプト「The Art of Resonance」のもと、大胆でピュアなプロポーションに仕上げられました。サイドには大きなガラス面が広がるいっぽう、リアウインドウを持たない独創的な後ろ姿が目を引きます。
この造形は、外から内へではなく、内から外へ生まれたものでした。デザイナーは、後席乗員が向かい合うという価値を外観で表現するため、室内のスケッチを起点にエクステリアを組み立てる「インサイドアウト」の手法を採ったと説明しています。

インテリアは、ガラスルーフから自然光が入る開放的な空間。3列シートのうち2列目は後ろ向きに配置され、後席の乗員同士が向かい合って座れます。3列目側の天井には、屋外の風景を映すディスプレイも設けられました。
運転席まわりはシンプルにまとめられ、自動運転技術の進展を見据えた格納式ステアリングホイールも採用。いっぽうで、ボディサイズやパワートレインといった主要諸元は公表されていません。
デザインは高く評価され、2024年には「レッド・ドット・デザイン賞(Red Dot Design Award)」のデザインコンセプト部門でレッド・ドット賞を受賞しました。同じ部門では、サルーンが最高賞のベスト・オブ・ザ・ベスト賞に選ばれています。
その考え方を踏襲したのが、2025年1月のCES 2025で公開された「Honda 0 SUV」です。ホンダはスペースハブで示した将来のBEVにおける空間価値の考え方を踏襲し、開放的な視界と自由度の高い広々とした居住空間を実現したと説明しました。
ところが2026年3月、ホンダは四輪電動化戦略の見直しを発表。北米で生産を予定していた「Honda 0 SUV」「Honda 0 サルーン」、アキュラ「RSX」の3車種は、開発・発売の中止が決まりました。BEVに傾けていたリソース配分を見直し、ハイブリッドモデルの新商品投入を進める方針です。
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スペースハブは、ホンダが将来のBEVで実現したい空間価値の考え方を示したコンセプトモデルでした。その考え方は、量産を目指した「Honda 0 SUV」のプロトタイプにまで踏襲されましたが、同車は開発・発売中止に。
それでもホンダは、BEV需要が再び拡大に転じるタイミングを見据え、BEVの仕込みを長期的な視点で続ける方針です。市販車には届かなかったものの、あの独創的な提案はプロトタイプという形にまで具体化されていました。
Writer: くるまのニュース編集部
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