ダイハツの「“9人乗り”ミニバン」がスゴイ! 全長4m級「ちいさなボディ」に「すし詰め」! “ぎゅうぎゅう”なグランマックスミニバスFace to Face尼国仕様とは
日本で販売されているのに、実は海外生産の「逆輸入車」であるダイハツ「グランマックス」。その本国仕様では、日本向けにはないとある強烈な個性があります。
グランマックスはインドネシアで生産
海外生産のクルマが日本で販売される、いわゆる「逆輸入車」。これまでも何種類か存在しましたが、インドネシア生産のダイハツ「グランマックスカーゴ」とトヨタ「タウンエース バン」、そしてマツダ「ボンゴバン」も逆輸入車にあたります。
実はこれらの車種はすべて同一モデル。ダイハツのインドネシア法人「アストラ・ダイハツ・モーター」で生産される商用車「グランマックス」をベースにしています。
グランマックスは2007年、ダイハツとトヨタの共同開発によりバンとトラックの2種類で登場した1トン積みクラスの商用車です。小さなボンネットを持つミニバン風デザインですが、エンジンはキャブオーバー型1BOX商用車と同じく、運転席・助手席下に置かれています。
バンではテールゲートの窓下・左側に車名が入った「謎のプレート」が付いていますが、これは、本国に存在する「テールゲート横開き」仕様のドアノブを隠すための目隠しフタです。
グランマックスは、当初日本国内ではトヨタブランドから4代目タウンエース バン/トラック、6代目ライトエース バン/トラックで発売をスタートしましたが、2020年以降はダイハツブランドからもグランマックスの名で販売がスタート。
しかしダイハツは、2024年10月にグランマックスカーゴの生産終了をアナウンスしており、現在は在庫車のみの販売となっているようです(なお各ブランドどもに、トラックは生産休止中)。

コンパクトな車体に9人乗り!?
生産拠点の「本国」であるインドネシアでは、バンを「グランマックスミニバス」、トラックを「グランマックスピックアップ」と称して販売。ミニバスにはさらに荷室部の側窓を鉄板に変えた「グランマックスブラインドバン」も用意されています。
ところでこのグランマックスミニバス、バスを名乗るからには多人数乗りなのかな…という推理をしたなら、それは大当たり。
日本のグランマックスカーゴでは、荷室に折りたたみ式の簡素なリアシートを持つのみですが、グランマックスミニバスでは、2人+3人+3人がけの3列シートの8人乗り「Front Facing」と、2人+3人がけ+「横向き2人がけ×2脚」の9人乗り「Face to Face」を設定しています。
前者は2・3列目を個別に前後および1:1分割で折りたたむことが可能で、後者では2列目シートを背もたれ一体式で前方にたためるほか、4人が向かい合わせで座る3列目(?)シートも、座面を跳ね上げて荷室を拡大することができます。
しかし、ここで「そんなに乗って大丈夫かな」と思う人もいるでしょう。そう、グランマックスのバンモデルは約4m、荷室長約2mというとてもコンパクトな商用車なのです。参考までに日産の「NV200バネット」は約4.4mで荷室長が約2m、一クラス上のトヨタ「ハイエース」では全長約4.7m、荷室長3mを確保していますので、いかに小さいかわかります。
この車内に8人とか9人乗せたらどうなるのか、ということで現地のカタログ写真を確認すると、車内はまさにすし詰め状態。乗っている人も肩をすくめて座っているようにも見えます。
過去に日本でも、小さな車体に3列シートのクルマとしてスバルの初代「ドミンゴ」などがありました。これらの多くは軽自動車用小型ボディのまま、もしくはプラスαのサイズで多人数乗りを実現していた歴史があるため、グランマックスミニバスのすし詰め感も驚くことではないのかもしれませんが、さすがに9人乗りのシート配列は「マジか」と言いたくなります。
カタログを見る限りシートベルトも設置されていないようですので、日本で販売される可能性は極めて低いといえるでしょう。
しかし小さなクルマにぎゅうぎゅうに押し込まれたり、対面で座るのは非日常的な体験。乗り込むのを想像しただけでなんだかワクワクしちゃうのも面白いところです。
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最新の乗用車保有台数に関する統計によると、インドネシアでは約18人に1台しか普及していません。なお日本は約2人に1台、アメリカでは約3人に1台という数値が出ています。インドネシアをはじめとした新興国では、このような多人数乗り・かつ客貨兼用のピープルムーバーは重要な存在なのがうかがえます。
なおインドネシアでは、グランマックスミニバスをベースに快適性をアップして外観も豪華に装ったミニバン「ルクシオ」を販売しており、上級乗用車の需要にもしっかりとこたえています。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。




























