日本の大動脈「新東名高速」っていつ開通するの? そもそも「もう開通しているはず」だったよね? 「トラブル続きの工事」でどうなっている? 難航しているのはどこ?
「新東名高速」の建設が進んでいます。進捗はどうでしょうか。
本当は「もう開通しているはず」だった新東名
まごうことなき日本の大動脈「東名高速(東名)」は交通量がひっ迫し、パンク状態で年中渋滞しています。そこで、バイパスとなる「新東名高速(新東名)」が建設されています。
スムーズに行っていれば「すでに開通済み」となっているはずですが、どうなっているのでしょうか。
東名は、東京・神奈川・静岡・愛知と通り抜け、東日本〜中部地方を結ぶ「第一選択ルート」を担っています。
しかし、昔ながらの狭い4車線設計でカーブも多いうえ、渋滞しやすいポイントも数多くあります。
高度経済成長期の開通から半世紀が経過したことで、交通量は爆増したものの、それに対応できるほどの余裕はありません。
そこで、並行する第二のルートとなるのが新東名です。圏央道と接続する神奈川県の海老名南JCTから愛知県の豊田東JCTまで、総延長約250kmで結びます。
ルートはそのまま東名をなぞるのではなく、山側(北側)を直線に近く通っているため走りやすく、一部区間では最高速度を120km/hとなり、速く快適です。
終点の豊田東JCTでは、そのまま伊勢湾岸道に直通し、西日本の大動脈となる名神や、同じく主要ルートの東名阪・伊勢道などへのアクセスが優れています。

2012年に、静岡のほぼ全域となる御殿場JCT〜浜松いなさJCTが一気に開通し、その後も豊田東JCTまで延伸し、伊勢湾岸道と直通。2018年から2022年にかけても、神奈川県内の海老名JCT~新秦野ICまでの区間が順次開通しています。
さて、いっぽうでまだ全線開通はしていません。神奈川県と静岡県をまたぐ新秦野IC〜新御殿場IC間の約27kmが「唯一の未開通部」として残っています。
ここが開通していないことで、選択肢は東名に限られていますが、山岳区間ということもあってアップダウンやカーブが連続し、事故も多発しているほか、自然渋滞が発生しやすい地形になっています。
毎週末の土日も混雑しており、長期連休になればレジャーのクルマで30km以上の大渋滞となることも日常です。
せっかく御殿場JCTよりも西側は新東名・東名で2つルートによりクルマが分散するのにも関わらず、この区間は強制的に東名に乗らざるを得ず、新東名のポテンシャルをまったく発揮できていません。
もし全通すれば、海老名南JCTから分散し、「秦野中井IC」や「都夫良野トンネル」など、しょっちゅうラジオで聞くような渋滞ポイントは解消することになります。
気になる進捗ですが、実は本来「もうすでに開通しているはず」でした。当初、2020年度の開通を予定していたものの、想像以上の難工事となっており、いまだ「開通予定は未定」です。
特に、神奈川県山北町と静岡県小山町を結ぶ「高松トンネル」の工事が難航しています。活断層が付近に通るところで、地盤が非常にもろく、崩れやすく、度重なるトンネルの変形や大量の湧き水、崩落に見舞われるという災難が続いています。
なかでも湧き水問題は現場が非常に頭を悩ませているもので、2024年9月の掘削時には「1分あたり2.5トン」という過去最大規模の湧き水が発生。この湧いた水を排水する設備を強化しなくてはならなくなりました。
その後も掘ってはトラブルが発生して、工事計画の変更・対策をし、直すというのを繰り返しており、うまく進んでいません。
2025年11月には工事状況を共有する「連絡調整会議」第7回が開催されており、高松トンネルの課題が明らかになりました。
議事録によれば、追加でボーリング検査を実施したところ、今後も脆弱な地盤や湧き水が想定されるといい、この先の工事も難航が予想されるとしています。
こうした崩落や湧き水などのトラブル対策を踏まえると、2025年秋の時点で掘削が順調に進んだとしても、高松トンネルの「貫通」までには少なくともあと1年以上かかる見通しとなりました。
もちろんこの「貫通」とは、トンネルが突き抜けただけなので、そこからトンネル内のコンクリート施工や各種設備、舗装なども必要です。こうした作業を行うと、「予定していた2027年度から少なくとも1年以上遅延する見込み」としています。
2026年7月末現在の最新状況では、高松トンネルは上り線では2847mのうち2480mm(87.1%)、下り線では2864mのうち2620m(91.5%)の掘削が完了しています。6月末からは、上り線では40m、下り線では50m進みました。
高松トンネル以外の区間は順調です。トンネルは高松トンネルを含めて14本ありますが、うち12本は完成。橋も31橋ありますが、うち26橋が完成しています。
ちょうど中間地点にある「山北天空大橋」も谷底の川をまたぐという大規模な橋でしたが、2026年に入って橋桁がつながりました。そのほかの高架橋などもほぼ完成形が見えています。
ただし、最大の難所となる高松トンネルが貫通しなければ、開通見込みは明らかになりません。ひとまずは、無事にトンネル工事が終わるのを待つしかありません。
Writer: くるまのニュース編集部
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