コンパクトミニバンのトップを争うトヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」 装備や燃費、価格を徹底比較
燃費ではシエンタが有利もパワーに差が
「シエンタ」の「1NZ-FXE型エンジン + 2LM型モーター」ハイブリッドエンジン車は、JC08モード燃費消費率で28.8km/L(7人乗り/5人乗りともに)です。
対する「フリード」は「SPORT HYBRID i-DCD」ハイブリッドシステム搭載グレードの「HYBRID B」と「HYBRID G・Honda SENSING」が27.2km/Lとなっていますので、「シエンタ」のほうがカタログ数値上は優位です。
ところが、パワーは「シエンタ」が100PS(エンジンとモーターの組み合わせの最高出力:以下同様)に対し、「フリード」は137PSと余裕があるので、多人数時や大きな荷物を載せた時などは燃費の差はかなり縮まると思います。
それと「フリード」が7速デュアルクラッチ・トランスミッションを装備し、対して「シエンタ」は電気式無段変速機を装備していますので、ダイレクト感のある「フリード」と、なめらかな加速の「シエンタ」と、それぞれ走りのフィーリングに個性がありそうです。
安全装備では「シエンタ」は、JNCAP(自動車アセスメント)新・安全性能総合評価で2015年度の「ファイブスター賞」受賞と「ASV+」を獲得していますが、「フリード」は2016年度から「ASV+」と「ASV++」の2段階で評価されるようになったため、シエンタへの対抗のためか「ASV++」獲得をアピールしています。
また、両車ともセーフティ・サポートカーS<ワイド>となっています。「シエンタ」はレーザーレーダーと単眼カメラ方式を併用した検知センサーで、「フリード」はミリ波レーダーと単眼カメラを併用しています。
自動ブレーキが作動する速度域に若干の差があるものの、両車とも歩行者にも対応するなど、大きな性能差はありません。ただし、ミリ波レーダーを持つ「フリード」は前走車追従型クルーズコントロールを装備しているので、高速道路での長距離移動では「フリード」の方が快適でしょう。
一方、「シエンタ」の装備では、オートハイビームや、スライドドアが閉まりきる前に施錠を予約できる「パワースライドドア予約ロック機能」などがマイナーチェンジで新たに加わり、使い勝手を向上させています。
価格も決定的な差はなく、選択基準は難しい
価格(消費税込)については、エントリーモデルで比較すると「シエンタ」が226万6960円、「フリード」が225万6000円となっています。装備が充実した「シエンタ G Cuero」が253万2600円、同じく「フリード HYBRID G・Honda SENSING」(7人乗り)で251万7600円と、こちらも大きな差がありません。
しかし、実勢価格を考えると「シエンタ」はマイナーチェンジして間もないので、「フリード」の方が値引きで有利な条件を引き出せる可能性があります。
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このようにコンパクトミニバン市場でライバルとなっている「シエンタ」と「フリード」ですが、販売台数が物語るように、人気を左右するような決定的な差はありませんでした。
両車のどちらかを選ぶ基準としてデザインであったり、メーカーで決める方も多いでしょう。また、長く所有するつもりであれば、購入の際にご自身の使用環境や目的なども熟考するだけでなく、必要なオプション装備を含めた購入金額や、実際に試乗してのフィーリングを確かめて選択するのがよいでしょう。
【了】