無意識にやっているクルマの寿命が短くなる運転とは 「慣らし運転」や「暖機運転」はやるべき?
オイル交換時期は取扱説明書通りではないケースも
オイル交換は「1万kmまたは12か月毎に」など、取扱説明書には必ず書いてあります。しかし、車検以外で交換することがない人もいるかもしれません。
エンジンオイルには「潤滑、密封、冷却、洗浄、防錆(ぼうせい)」という5つの効果があり、劣化によりこの作用がひとつでも欠けてしまえば、エンジン本来の性能が損なわれてしまい、クルマの寿命を縮める原因になります。
また前出のホンダによると、取り扱い説明書に記載されている期間よりも、メンテナンスサイクルが短くなる環境や乗り方があるといいます。
「『シビアコンディション』と我々は呼んでいますが、同じ走行距離でも、山道であるとか、短距離の使い方が多い、氷点下の環境での使用が続くなどであれば、推奨している期間の半分で交換をしていただきたいと考えております。例えば、1万km又は12か月毎の交換と取扱説明書に記載されていたら、5000km又は6カ月毎のオイル交換を推奨しています」(ホンダ)
シビアコンディションとは、たとえば悪路や雪道の走行、30km/h以下の低速走行、アイドリングが多い、短距離の繰り返し走行(目安で8km/回)などが、そのクルマの走行距離の30%以上を占める場合をいいます。走行距離が長い場合(目安で2万km以上/年)も同様です。
渋滞の多い都市部での短距離のみの使用や近所への買い物が中心といった使い方は、クルマにとって厳しい環境です。
たくさん乗らないから交換しなくてよいのではなく、たくさん乗らないからこそ交換が必要ということになります。また、エンジンオイルは乗ってなくても空気に触れ酸化が進み、いずれ劣化していきます。エコドライブの観点からしても、取扱説明書で推奨されているタイミングで交換をするのが賢明です。
また、外装のケアも忘れてはいけません。鳥の糞、虫の死骸、潮風、冬場の凍結防止剤などが付着した状態を放置すると、ボディの錆や痛みの原因になります。クルマが汚れてしまった際は、まめに洗車することをおすすめします。
クルマの寿命は、年式や車種によって異なりますが、丁寧な運転を心がけることにより愛車の寿命が長くなり、燃費も良くなります。また、同乗者にも気持ちの良いドライブを楽しんでもらうことができるため、一石三鳥です。日常点検や洗車をして、心地良いドライブをしてみるのはいかがでしょうか。
【了】