無意識にやっているクルマの寿命が短くなる運転とは 「慣らし運転」や「暖機運転」はやるべき?
エンジンを掛けてすぐに発進するのは大丈夫?
駐車してあるクルマに乗りエンジンを掛けてすぐに発進する。当たり前のように日常繰り返される行動であると思いますが、場合によってはクルマの寿命を縮める行動かもしれません。
クルマのエンジン内部にはエンジンオイルが入っており、金属摩耗を低減させたり、摩擦熱を放出したりする働きをします。
ほとんどのクルマのエンジンオイルは、エンジン下部に設置された「オイルパン」と呼ばれるケースに溜められており、エンジンが回転することによってポンプで吸い上げられ、エンジンの隅々までオイルが行き渡る仕組みになっています。
長期間駐車されているクルマのエンジンオイルは、重力により下に落ちてしまい、エンジンを始動してすぐは、エンジン全体にオイルが行き渡っていない場合があります。オイルが少ない箇所では、摩擦による負荷が掛かり、メンテナンスの期間が早まってしまう原因になりかねません。
週末のみクルマに乗って出かけるという使い方であれば、最初にクルマに乗るときだけでも暖機運転を行なった方がよいかもしれません。
ただし、暖機運転で注意していただきたいのは、停止して行なう「アイドリング暖気」と、比較的おとなしく走って行なう「走行暖気」があります。昔は「アイドリング暖気」を推奨していましたが、いまは「走行暖気」が推奨されています。水温と油温の上昇や、排気ガス浄化装置の温度を上げる(温度が低いと浄化性能が下がる)のは「走行暖気」の方が早いからという理由です。加えて、ご近所迷惑にもならないという利点もあります。
また、近年ではスポーツカーだけでなく、コンパクトカーやエコカーにも多く採用される「ダウンサイジングターボ車」にとっても暖気は大切です。
ホンダによると、「以前は水温が上がらないと、VTECの切り替えができないことがありましたが、近年のクルマですとそういった必要は無くなってきています。しかし、水温が低い状態ですと、アイドリングストップシステムが作動しません。また、ターボ車についてはエンジンが冷えた状態での急加速や空ぶかしはターボ装置の故障を防ぐために控えるように取扱説明書に記しております」
水温計が適切な位置に上がるか、水温低下中のランプが消えるくらいまでは、暖機運転がエコドライブにも影響を与えるようです。